今回の記事は「毘灼はなぜ妖刀を狙っているのか」という部分である。
妖刀と毘灼は『カグラバチ』という作品の肝でもある。
その謎めいた部分を解き明かすために、これまでの出来事をまとめ考察していこうと思う。
毘灼はなぜ妖刀を狙っているのか
議題となるのはなぜ毘灼は妖刀を狙っているのか、という部分である。
妖刀を狙ったということは毘灼として、圧倒的な力を欲しがっているということである。
ただし理由が不明確だ。
そこで今回は毘灼と妖刀という2点について掘り下げて考えていこうと思う。
まず初めになぜ毘灼は妖刀を欲しがっているのかという部分だ。
作中では「斉廷戦争」という戦争がひとつのキーワードとして挙げられている。
一方でこれ以外の戦争の話は登場していない。
「斉廷戦争」が起こった時期が18年前であることから作中の日本は18年もの間、「斉廷戦争」を超える被害の戦争は起こっていないということを示している。
また世界観としても、国外との抗争や関係悪化についても語られていない。
つまり日本は18年間は特に大きな争いごとはなく、比較的平和な時間を過ごしていたといえるだろう。
そんな状態であるにもかかわらず、毘灼は妖刀、つまり圧倒的な力を求めているわけだ。
平和な日本を壊してでも叶えたい目的がなにかあるということを意味している。
加えて着目したいポイントは、妖刀を奪うということは相当なリスクがあるということだ。
六平国重が妖刀を保護していたという点を除いても、妖刀の取り扱いには日本という国がかなり干渉している。
それだけではなく国の監視下にある妖刀の所有者を殺さなければならない。
このことを踏まえると、毘灼は国との対立を理解したうえで妖刀を集めることを決意していることは明らかである。
毘灼の目的は国レベルを相手にするリスクを背負わなければならないほど、強大なものであると推測できる。
そこまでの相手とは誰なのかと考えた時に、真っ先に考えられるのは「日本」という国である。
「……毘灼は俺たちの罪を知ってる。
毘灼その蓋を破ってこの国を落とす気だ」
『カグラバチ』第59話「暗転」
国家組織を相手にすることが目的であれば、妖刀が必要であることも頷ける。
コメント