【映画感想】『ジョー・ブラックをよろしく』【考察・レビュー】

映画

コーヒーショップにて

 正直、これはラストシーンであると勘違いをしていた

 運命的な出会いをし、紆余曲折あるもお互いが寄り添うことができなかった末で迎えた別れのシーンであると勝手に思ってしまっていた。

 だからこそ、こんなにも序盤で登場することにやや驚いてしまった。

 ただ驚きはあったものの、内容は素晴らしいものであった。

 ドリューという婚約者がいる立場であったスーザンであったが、彼女は”恋”をしているわけではなかった

 そのため結婚について真剣に悩んでいたし、父から聞いた恋愛観に頭を悩ませていた。

 しかし「彼」との会話が弾み、その魅力に取りつかれてしまう。

 仕事が待ち受けているのにも関わらず2杯目のコーヒーを頼んでしまうことからも、スーザンは「彼」にかなり興味を抱いていたことがわかる。

 さらにはコーヒーへ入れるミルクや砂糖の手順・タイミングまで息はぴったり。

 スーザンにとっての運命の相手は「彼」であることを強調する内容であった。

 別れ際、お互いに好きだと伝えるも、名前や連絡先を聞くことはなかった。

 どこかでまた会えると期待していたのか、婚約者がいるスーザンは関係をもつことに悩んでおり、それを察した「彼」が深く追求することを避けたようもみえる。

 最後の一歩がどうしても踏み出すことができなかったのだ。

 「彼」が振り返るとスーザンは歩みを進め、スーザンが振り返ると「彼」は歩みを進める様は男女のすれ違いを見事に表現しているといえる。

 残念であることはここで物語の見せ場のピークの一つを迎えてしまったという点だ。

 もうひとつの見せ場である終盤のパーティー会場まで盛り上がりがある場面が無くなってしまっている。

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