【2020年本屋大賞】『そしてバトンは渡された』「優子と親子について」【書評・感想】著者:瀬尾まいこ

小説

まとめ・感想

 親子という関係性について考えさせられる一作であった。

 特に昨今の日本では”人の領域に踏み込まない”ことが美学とされがちである。

 個々人がそれぞれの思想があるため、触れちゃいけない話題や存在があふれている。

 それはもちろん大切である。

 またインターネットが発達したことにより、自分と趣味嗜好が合う人が見つけやすくはなった。

 そんなメリットがある一方で、人とぶつかり合う機会というのも減ったように感じる。

 なぜなら私もしくはあなたではなくとも「代わりの人」が溢れ、みつけられる世の中だからだ。

 例えば学校にしろ、仕事先にしろいくらでも移動する敷居がはるかに下がった。

 いつでもやめて、いつでも逃げれる世の中である。

 便利にはなったが、人とのコミュニケーションという観点では疑問が残る。

 本当の意味で仲を深めるためには、表面的に取り繕った暖かい言葉だけではなく、核心を突くような冷たい一言も大事なのかもしれない。

 そうした本音で語れるような人間関係を私自身、構築していきたいものである。

 それでは今回はこのあたりで。

コメント

タイトルとURLをコピーしました