今回も引き続き『一ノ瀬家の大罪』の考察を進めていこうと思う。
前回第1話の記事は↓からどうぞ↓
家族の関係性
第1話の前半・病院では仲睦まじい姿を見せていた一ノ瀬家。
しかし、自宅に帰ってからは途端に距離を感じされる形で終了していた。
ただこの第2話でも、離れた距離感が示されている。
家族全員が食卓を囲むことなく、すぐさま家を立ち去ろうとしている。
仕事がない幸恵でさえも、翼とほとんど話すことなく散歩に行くのだった。
自宅にもどってきたのであれば、自分のことを知りたい・記憶を取り戻すという意味でも情報共有する必要があるだろう。
それでも避けているということは、よほど家にいたくないという環境なのか。
あるいは自分の記憶が戻ること・家族の記憶が戻ることを嫌っているように思える。
第2話であは家族についてほとんど語られなかったので、次回以降が楽しみである。
クラスメイト
第2話で欠かせないのは中嶋という存在である。
まず翼が学校に戻ってきたことに対して、クラスメイトは関心を抱いていないという点である。
久しぶりにクラスメイトが投稿、新聞に掲載するだけの大きな事故。
さらには記憶喪失ときたものだから、話題になって当然の状況である。
翼が期待に満ちた目でクラスを見渡すが、ほとんどが俯いている。
残りの一部は隣の席の人と話したりスマホを眺めたり、翼の表情を見る者はいないのである。
ここからすでに翼は興味の対象ではない=「クラスメイトにとってはどうでもいい存在」であることが読み取れる。
誰も翼を見つめない=興味を示さない中、一番後ろの席にてパーカーを着ている人物・中嶋だけが顔をあげて翼を見つめているのだった。
クラスの中でいえば唯一翼に興味を持つ人物ということが露骨に表現されている。
さて問題は一体どういう興味であるかということになる。
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