翼の存在と美奈子の消失
さまざま謎が残る回であったのでひとつずつみていこうと思う。
まずは家族で記憶喪失となった事故の真相である。
「事故のこととか記憶が曖昧なんだよね。
私たちなんで福井に」
『一ノ瀬家の大罪』15話 「美奈子の消失」
この発言があるということは、家族全員で福井に向かった理由が何かあるはずだ。
特に”福井”という土地にも何か具体的な意味があるような雰囲気が見受けられる。
なぜ東京からの交通ルートがよくない、遥か遠い福井という土地を目指していたのか。
第1話から描かれているだけあって、その真相には気になるところだ。
美奈子の日記についても着目したい。
まずはけんたを目撃したタイミングが4/26というところだ。
時系列を考えると①一ノ瀬家は翼が小学校4~6年あたりのころから家庭崩壊の兆しがあった。
その後、②どこからの時期で家庭崩壊が決定する”何か”が発生、そし③GWに発生した福井での事故に繋がると考えられていた。
けんたを目撃した日付が4/26。そこから謝罪の文面が続き、最終的には翼相手に謝っている。
この様子を考えると福井での事故の前に発生した家庭崩壊の”何か”は同じ年のGW直前であると考えられる。
②→③までのスパンはかなり短いと考えられる。
そのうえで、日記に書かれていることからもけんたがキーマンであることは明らかである。
また気になるところは翼に対する謝罪が行われたということだ。
涙を浮かべて放心状態の翼が描かれてるが、手に持つペットボトルは翔が家族旅行と称し再び事故を発生させた際に持ってきた睡眠剤入りドリンクを連想させる。
加えて日記の書かれ方からけんたの誘拐と翼を苦しめたことに強いつながりがあることが示唆されている。
そして美奈子の発言も気になるところだ。
「なんで忘れていたんだろう。この世界はおかしい。
翼、ツバサはもうーー」
『一ノ瀬家の大罪』15話 「美奈子の消失」
順当に考えてしまうと、続く言葉は「亡くなっているのに」であると捉えられる文脈だ。
13話「美奈子の追憶」では”新しい翔”が「あの事故の真相」について話す際、病室を映し出すという謎の演出を挟んでいる。
こうした背景もあり、「翼死亡説」とも考えられてしまう。
この部分については今後考察の余地がある。
なんとなくでは見え始めているものの、いまだに全体像がつかみにくい。
考察できそうな部分があるのでこれからも深堀は続けていこうと思う。
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