【感想/レビュー】『一ノ瀬家の大罪』「七つの大罪との関連性」【考察】タイザン5

一ノ瀬家の大罪

詩織と「色欲」の罪

 詩織に対応する罪は「色欲」である。

 これに関しては一目瞭然だ。

 第6話「詩織の遭遇」にて成人男性と私服で出歩いている姿が目撃され、第7話「翼の追跡」でそのデートの模様が明かされる。

 しかし傍から見ても成人男性と女子中学生が出歩くという異常さはパパ活を意識したものであることは間違いないだろう。

 第8話「翼の疾走」にて詩織がホテル街を歩いていることや、第9話「翼の救済」でSNSでのやり取りが中心であったことを踏まえると詩織がパパ活を行っていたことは明白になる。

 女性という魅力を活かして男を誑かすという行為は「色欲」を体現しているといってもいい。

 さらに詩織の部屋には大量のウサギが飾ってあるが、ウサギは「色欲」の象徴でもある。

 こうした意味においても詩織は「色欲」の罪と繋がりがあるといえる。

母・美奈子の「暴食」、父・翔の「強欲」

 次は母・美奈子と父・翔の罪についてだ。

 第12話にて美奈子の部屋が大量のお菓子やパンで埋め尽くされていることが明らかになる。

 このことから美奈子は「暴食」は確定であるといえるだろう。

 では父・翔はなにかという部分であるが、それは母・美奈子との関係を話す必要がある。

 この関係性の考察については第12話の記事にもまとめてある。

 第12話にて翼と詩織が”本物の翔”を見かけるシーンがある。

 そのシーンの隣には、同じ背景で見上げる美奈子が描かれている。

 そして翼と詩織が見つめる先には、女性と楽しそうに談笑する”本物の翔”がいた。

 ここでの描写が意味するものは、翼と詩織が目撃したのと同様に、美奈子は翔が女性と会っている姿を目撃したということでもある

 ”新しい翔”が何らかの事情で”本物の翔”と父親という役割だけが入れ替わったと仮定する。

 仕事や交友関係は完全リセットされたとは考えにくい。

 その場合、元の世界において翔が女性と出会っていたということは、すなわち不倫を意味する

 妻や子供という存在がありながらも、新しい女性を求める姿は「強欲」といって差し支えないだろう。

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