【呪術廻戦考察】羂索は何故宿儺を「獄門彊が失敗したときの代案」としたのか【最新話ネタバレあり】

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渋谷事変・呪霊組

 ここまでで渋谷事変での呪霊組の動向をおさらいしよう。

 五条悟の封印に成功した呪霊組は宿儺の扱いについてぶつかり合う。

 宿儺の器である虎杖を排除するかどうかという問題である。

 五条悟を封印した時点で高専側と呪霊側の戦力差は読めなくなっており、宿儺が復活しなくとも呪霊側が勝利する可能性が大幅に増大した。

 自分のことをボコボコにした虎杖を許すことができないプライドの高い真人は、宿儺復活の選択肢を捨ててまで虎杖を排除したいと考えていた。

 一方の漏湖は宿儺復活により、呪いの時代を迎えたいという気持ちでいた。

 先ほども述べたように宿儺は扱いが難しい機分野である。

 復活をさせたという恩義をもったとして、呪霊側の味方につくという保証は全くない。

 ただ五条悟が封印されたなかで宿儺が復活してしまえば、どのような形であれ呪いの時代が訪れることは間違いない。

 漏湖は自分や仲間が死してもなお、呪術最盛期の時代を迎えたかったのだ。

  そんな考え方の違いから漏湖と真人、脹相は虎杖排除を賭けたゲームが始まった。


 結果論かもしれないが、真人や漏湖が予想は見事に的中する。

 美々子・菜々子が宿儺に指1本と引き換えに夏油の解放を求めるが抹殺されるに終わる。

 もっとも対等な契約を持ちかけたことに対して不快に感じたため殺害したのか、後述するように夏油の体を乗っ取っていた羂索と契約関係にあったため美々子・菜々子の提案が呑み込めなかったのかはわからない。

 ここで宿儺は「不愉快だ」と述べてはいるものの、宿儺において発言と真意が異なるのはたびたびあり、羂索との関係を悟られないために殺害した可能性も考えられる。

 また宿儺の指を10本提供した漏湖に対しても、「俺に一撃でも入れられたら呪霊の下についてやる」と提案している。

 半分の指を提供してもかなりの障壁の高さであることから、たとえ漏湖たちが宿儺復活に成功したとしても仲間になることはなかっただろう。

 つまりこの渋谷事変を通して、いかに宿儺を扱うことが難しいのかということが丁寧に描かれていた。

 そしてここまでを踏まえて先ほどの羂索の発言をもう一度見てみよう。

「好きにするといい。

 私にとって宿儺は獄門彊が失敗した時の代案に過ぎない」

『呪術廻戦』11巻 第93話「渋谷事変 93」

 羂索も呪霊組と同様に宿儺が復活したとしても仲間になる可能性が非常に低いと見積もっており、宿儺復活を現実的な案とは捉えていなかった。

 それよりも確率が低い宿儺復活という案よりも五条悟封印を主軸にしていた、というように捉えることができていた。

 しかし渋谷事変を終え、死滅回游へと物語が進むとこの発言が異なる解釈を生み出すこととなる。

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