② 領域の要項がどこまで通じるのか
まずは領域の押合いで日車が勝ったと想定しよう。
あるいは五条戦で脳を損傷しているため、領域がいまだに使用できない可能性もある。
そうなれば当然、日車の領域公開が発動されることとなる。
だが果たして本当に望んだとおりの効果が発揮されるのだろうか。
日車の術式は本職同様に六法全書をもとにしている。
まず第1に平安時代から復活した宿儺に六法が適用されるのか。
もともと伏黒恵の体であったが、外見まで宿儺になった以上は伏黒の名義ではなくなる。
現に鹿紫雲やレジィ・スターは受肉元の名前ではない。
日本の土地とはいえ戸籍を持たない宿儺に対して法律がどこまで通じるのかが不明瞭である。
第2に宿儺相手に弁論で勝利を勝ち取れるのかという部分である。
例えば渋谷事変での大量殺人を議題に取り上げた際に、日車自身は虎杖を心神耗弱と判断しているが、宿儺はおそらく虎杖の自白を主張するだろう。
あるいはに人間のうちに魂が2つ入り込むという判例は今までない。言葉次第では日車が負ける可能性もありえる。
なんせ宿儺は交渉術に長けている。
「契闊」を唱えた際の縛りを設けたときも、虎杖の自信とプライドを揺らがせ、かつ自分は常に余裕であるという佇まいをみせ、ものの見事に契約を結んでいる。
虎杖自身が含まれていないことを見越したうえで 「誰も傷つけない」という縛りを設けていることからも、言葉の駆け引きが非常にうまい。
日車は学の面でも才能が有り、本業であるからこそ有利なのは間違いないが相手が宿儺であることを考慮するといささか心配は残る。
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