宿儺との肉弾戦
なによりも真希は、宿儺とサシの肉弾戦で戦えている時点で凄まじい。
”人外魔境新宿決戦”で宿儺と肉弾戦で渡り合えていた人物は数少ない。
猪野や脹相はなんとか戦えていたものの劣勢の状態で、日車も宿儺に両手両足が揃っている状態とは言え攻撃を一撃も与えられることはなかった。
まともな肉弾戦をしていた人物といえば虎杖・乙骨・真希・日下部・ミゲルくらいなもの。
そのなかでも真希はサシでの戦闘を経てもなお戦線を離脱していない。
さらには反転術式が使えない中で、ゼロ距離での解と黒閃を受けても立ち上がっていた。(2度目の黒閃でようやく離脱)
加えて「幻獣琥珀」ですべてのステータスをあげた鹿紫雲や、才能の原石である日車、現代の異能・乙骨ですらダメージを負わざるを得なかった宿儺の「世界を断つ斬撃」を、不意打ちに近い形であるにもかかわらず見事な回避。
鹿紫雲や日車、乙骨ではなく一番興味の対象となったのは真希であったのも頷ける。
加えて第255話「人外魔境新宿決戦㉗」では虎杖と宿儺の戦闘中、奇襲に成功し反転術式が使えない宿儺の左腕1本を切り落としている。
これにより”世界を断つ斬撃”に必要な閻魔天の掌印を結ばせないことに成功したのだった。
この戦果は非常に大きいといえるだろう。
宿儺の閉じない領域
禪院真希の一番の功績は、最終局面で行われた宿儺の領域展開にて「閉じない結界」を使わせたことだ。
29巻 第258話「人外魔境新宿決戦㉚」にて虎杖から7度の黒閃を喰らった宿儺は瀕死のように思われていたが、虎杖悠仁・全員真希・猪野琢磨・脹相へ領域展開を繰り広げる。
このとき宿儺は「閉じない領域」を用いているがい理由はいくつかある。
作中でも述べられているが一つは効果範囲の維持である。
宿儺は逃げ道を与えるという縛りで効果範囲を広げていたが、通常の閉じ込める領域であるとその効果範囲が狭まることにより4人を補足できない可能性が高まる。
そもそも領域展開は必中効果を外さないために”逃がさない”ということをしているのであり、”逃げ道”を与えるということは領域展開の根幹にかかわる縛りとして機能するためかなり有用に働いていたように思える。
これまでと同威力に設定した場合には効果範囲は半分以下となる可能性も大いに考えられる。
また領域展開で閉じてしまった場合には、閉じ込めそこなった術師や応援の術師に領域の外殻を破壊される危険性もある。
特に冥冥がいるため、神風などで破壊される可能性も十二分にある。
もちろん宿儺であれば外殻強化もできるだろうが「無量空処」や「黒閃」を受けている宿儺は完全な状態では領域展開ができておらず、縛りを設けた状態では難しいだろう。
領域については別の記事でも考察しているので参照願いたい。
そして宿儺は禪院真希のことを警戒し、領域を閉じていない。
これは桜島結界で禪院直哉に魅せたように、呪力を完全に持たない真希にとって”閉じた領域”では領域自体に付与された必中効果は意味を持たない。
つまり閉じた領域内でも真希のことを警戒し続けなければならない。陀艮の場合、領域内に4人いて出力設定に苦労していたことからも、領域にいれば必ずしも勝てるわけではない。
そのことからも相当真希を警戒していたとみてとれるのだ。
真希という存在で牽制できていたということもあり、宿儺は”閉じない領域”を広げていた。
しかし”閉じない領域”のおかげで東堂の不義遊戯が使用できることとなり、「竈」「開」という強力な奥の手がありながら真希と猪野琢磨は助かることができたのであった。
脹相は虎杖を守ることなり犠牲になったものの、”閉じた領域”では虎杖悠仁・禪院真希・猪野琢磨を含め4人とも死に至った可能性がある。
そのように考えれば人的被害は最小限にとどまったといえるだろう。
このような観点から、”人外魔境新宿決戦”での真希が起こした功績は非常に大きいものといえる。
フィジギフ様様であり、伏黒甚爾と同じ力といっても全く差支えのない活躍ぶりであった。
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