宿儺と縛り
ここまでを振り返るといくつか宿儺自身の価値観・行動原理に反するものがある。
まずは受肉の理由だ。
これまで力による支配を続け、新嘗祭で祀られる地位を得ながらも自ら受肉という道を選んだ。
つまりは平安の世では決して得ることができなかったものが現代にあると考えられる。
そして、受肉を宿儺が望んだということも大きい。
とんでもないプライドの高さを持ち、基本的にはワンマンプレーで解決してきた宿儺。
裏梅という存在はいるものの、あくまで従者でしかなく、自身と対等な存在はこれまで現れてこなかった。
そんな宿儺が羂索と縛りを設けている。
呪胎戴天編後に虎杖とも縛りを設けているが、これに関しては宿儺が伏黒の体を乗っ取ることができるという確信に近い予想ができており、宿儺自身にとってもかなり有利な条件であった。
しかし羂索との縛りは五条との戦闘という最も求める「戦闘欲」すら制御するものだ。
羂索が提供するものは、溢れんばかりの傲慢さを覆すだけのメリットがあると考えられる。
宿儺が求めていたものは”愛”であったことはほぼ間違いないと考える。
「まだまだ教えてあげるわよ愛を!
絶対的な強者‼それ故の孤独‼
あなたに愛を教えるのはこの私‼」
『呪術廻戦』第218話「浴③」
万が発したこの言葉に対し、宿儺は鼻で笑っていた。
このことから宿儺は愛を知っている、または知る術を知っているといった様子であった。
この発言だが、第221話「得喪」にも登場する。
加え、羂索が宿儺・五条と戦いを止めた縛りという話をしていたときに出てきている。
つまり宿儺は愛を知るために受肉したと考えられる。
ではどのようにして愛を知るのだろうか?
縛りを設けている以上、羂索はその公約を果たさなければならない。
生半可な提案や確度であれば自身が抹消されるということは、宿儺の強さを知っている羂索自身が一番理解しているはずだ。
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