宿儺が伏黒の肉体を奪ってから何者でもなくなった虎杖であるが、今回はそんな虎杖の役割と兄弟という視点で考えてみよう。
虎杖悠仁の役割
まずは虎杖悠仁という人物の役割について振り返ろう。
虎杖悠仁と器については下の記事にてかなり詳しく書いているのでそちらを参照していただきたい。
結論から述べると、虎杖悠仁は羂索によってつくられた存在であると私は考えている。
羂索は宿儺の復活を考えていたが、呪いの王であるその魂の強大さには並みの術師では肉体が耐え切れない。
そこで羂索は、宿儺の魂が収まる肉体を生み出すことを計画した。
その結果、生み出されたのが器としての虎杖悠仁であろう。
そんな宿儺としての器ある虎杖悠仁は死滅回遊の後半で変化が訪れる。
呪胎戴天編にて結んだ契約を宿儺は履行するのだ。
”契闊”と唱えることで1分間の自由を手に入れた宿儺は、自らの魂を呪物化することで自由を手に入れられない虎杖悠仁の体から抜け出し、伏黒恵の肉体を手に入れる。
この時点で羂索が望んでいた虎杖の役割は完全に終了する。
「……答えろ。悠仁に何をさせるつもりだ。150年放置してきた俺たちとは訳が違うはずだ。
悠仁で何を企んでいる」
「……うーん。。アレは具体的に役割があるわけじゃ……。
まぁ強いて言えば器であることが役割で、既にそれは済んでいるからね。
虎杖悠仁は始まりの狼煙なんだ。
あれが宿儺と生き続ける限り呪いの連鎖は止まらない。新時代の台風の目なんだ」
『呪術廻戦』第203話「血と油②」
先ほどの記事にて記載しているが、羂索が求める虎杖の役割はすでに決まっていた。
主な役割は宿儺を現世に受肉させ、宿儺が自由を取り戻すまで安全を確保することである。
つまり、宿儺が伏黒の肉体を入手した時点で、羂索が求める虎杖の役目はクリアといえる。
では高専側からみた虎杖悠仁という存在をみてみよう。
両面宿儺という史上最強の呪詛師を受肉させてしまった虎杖悠仁は呪術総監部よりかなり警戒をされていた。
秘匿死刑という刑の重さを考えても、虎杖がどれだけ危険視されていたかは明白である。
そのため呪胎戴天編では等級に不相当な特級呪霊に関係する任務を当てられ、五条は呪術総監部が虎杖を戦死させようと画策したと睨んでいた。
しかし、それらは両面宿儺を内側にひそめていたからである。
虎杖自身も類まれなる戦闘センスを持っており、覚醒した真人や死滅回遊トッププレイヤーである日車に勝利するなど1級相当の実力を持っているだろう。
ただ宿儺という存在がいない虎杖は一人の術師でしかないのである。
コメント