感想・レビュー
やはり面白いなというのが正直な感想だ。
今回もさまざまなところに注目し、レビューという形でまとめていこうと思う。
状況説明がうまい
『水星の魔女』プロローグについての解説記事でも「不自然な説明はしない」と書いたが、第1話でも徹底されている。
代表的なものは「どうやって名乗るか」という点である。
第1話ということで当然名前がわからないキャラクターたちが登場する。
その人物名の紹介が分かりやすいかつ自然体であるのだ。
スレッタ自身の名前は転校生ということで、実習見学のためニカに名前を確認されるときに判明する。
ミオリネはアスティカシア高等専門学校脱出を失敗したことで、実習に遅れたため先生に怒られるということで名前が知らされる。
グエルは突然行われた決闘後に自ら名乗る。
この名前の出し方でキャラクター性が出ているというのも面白いポイントだ。
スレッタやミオリネは聞かれたら答えるキャラだろうが、グエルは「自分から名前を知らせる」というキャラからオラオラ系なのかな?と判断できる。
特にグエルに関しては決闘終了後という目立つ場面で名乗るほどの自分の家柄と実績に自信があり、高らかに声に出せるくらいに立派で肝の据わった精神力のある人物というのがこの場面から読み取ることができるのだ。
またプロローグと違う点は「アスティカシア高等専門学校」という世界の中に「外界の人間」としてスレッタが転入するという点だ。
「外界の人間」が混ざることで、世界観の説明が違和感なくなされやすい。
例えば今回であれば「決闘」というシステムは「アスティカシア高等専門学園」に通っている人間なら周知のことだ。
だから内輪の人間に対して「決闘」のシステムを話してしまうのは不自然である。
しかし「外界の人間」であるスレッタはこうしたシステムを知らない。
いわば視聴者と同じ目線なのだ。
つまり「外界の人間」であるスレッタに「決闘」のシステムを話すことは何ら違和感ない。
そのため世界観の説明をする役割を担ってくれている。
第1話では「決闘」とは何かという部分は少し掘り下げている。
「決闘よ。この学園ではね、生徒同士が大切なものを賭けて決闘するの。
お金、権利、謝罪、結婚相手」
Ⓒ『水星の魔女』第1話
「世界の住民が知っていて当然のことは説明しない」「外の世界の住人が知らないことは教える」という至極当たり前のルールが適用されている部分は評価できる。
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