ベネリット社
着目してもらいたい点はベネリット社の構図である。
御三家などが参加する審問会を開き、シン・セー開発公社の代表であるレディ・プロスペラに質疑をかける第2話。
議題は「エアリアルはガンダムかどうか」である。
ガンドフォーマットについて追及されるも、理論的な数字を出し反論するプロスペラ。
その行方はベネリット社総帥のデリングに託されるも、デリングはエアリアルはガンダムだと断言する。
ネット上ではネタにされがちであるが、ここではベネリット社という名前の強大さ、総帥であるデリングの権力集中が示されている。
審問会とは名ばかりでシャディクがデータを持ってこようが、プロスペラが反論しようが関係なかったのだ。
結局はデリングがどうしたいかでエアリアルの処分が決まる。
事実、ミオリネがやってきて、御三家であるジェターク社CEO・ヴィムが提案できる状況になるまで反論できたものが誰一人としていない。
それほどまでに「ベネリット社の総帥」という立場の強大さ、独裁的な体制が現れている。
ここで第1話にてジェターク社CEO・ヴィムがデリングを暗殺しようとしたことにも納得ができる。
この時点で暗殺が成功すれば、自分の息子・グエルがベネリット社のご令嬢・ミオリネとの結婚が確約されるだろう。
そうすればヴィム自身もベネリット社で大きな力を手に入れることができるだろう。
なんせグループ傘下に反論の余地を許さない圧倒的な権力。
御三家の中でも一歩抜きんでることができるのだから非常に魅力的である。
グリンダを暗殺を試みようとしてでも手に入れたいのも理解できる。
親子の関係性
この第2話からテーマとして大きくなるのが「親子の関係性」である。
特にミオリネとグエルがその対象となっている。
まずはミオリネから。
第1話からホルダーとの婚約を父親に指示されていたミオリネは反骨精神を抱いていた。
それが第2話になるとエスカレートする。
決闘の中止命令、スレッタの退学やエアリアルの廃棄問題、そしてミオリネ自身への退学命令。
あまりにも一方的な決断が目立つ。
そんな自己中心的な考えが許せず、ミオリネは父親であるグリンダと対等であろうとする。
グエルについても「親子の関係性」が重要である。
第1話での自己紹介でジェターク社CEOの御曹司であることを誇り気に話していることから、家柄が大切であることがみてとれる。
また第1話にてスレッタに敗北したことでジェターク社CEO・ヴィムに叱咤されてしまう。
良くとらえばお坊ちゃまであるが、会社のモビルスーツに乗り、CEOの息子という肩書を背負うという重い立場にあると考えられる。
このように『水星の魔女』の住人あるいはアスティカシア高等専門学園の生徒は、親子との関係性が重要そうである。
第3話ではミオリネとグエルという、いわば親子の代理戦争がみられるだろうことに期待したい。
まとめ
世界観が構築されてきた第2話。
一辺倒な学園モノとはいかず、大人たちの利権が絡むなかなかに複雑で面白い内容に仕上がっています。
スレッタとミオリネはこの窮地を脱することができるのか、グエルは父からの信頼を取り戻せるのか。
目が離せませんね。
それでは次回の記事もお楽しみに。
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