『ワールドトリガー』という作品を語る上ではオサムという人物は欠かすことができない。
特に成長という意味では非常にカギを握っている。
そこで「三雲修」という人物について、戦闘という着眼点で掘り下げていこうと思う。
物語を①空閑との出会い、②B級昇格、③大規模侵攻編、④B級ランク戦前半、⑤B級ランク戦後半の5項目に分類したうえでひと項目ずつ見ていく。
今回は①空閑との出会いと題して、三雲修の戦闘を振り返ろうと思う。
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空閑との出会い
三雲修にとって、人生の転機といえるべきことは空閑遊真との出会いだ。
空閑との出会いがなければオサムはボーダーという組織でも埋もれていたことだろう。
まず第1弾として空閑との出会いからオサムがB級に昇格するまでの1巻第1話~2巻までの戦闘を振り返ろうと思う。
vs バムスター
まずオサムの初めての戦闘は第1話である。
転校生である空閑が気に食わない不良軍団が空閑をボーダーの警戒区域にまで呼び出す。
それを見かねたオサムはいじめを阻止しようとするも、あえなく返り討ちにされる。
しかしそこは先ほど述べたように警戒区域であるその場所は近界民が現れる場所である。
そのことをオサムは危惧していたが、その予想は的中する。突如、門が開いて近界民が蹂躙しだす。
そこでオサムは「不良を助ける」と心に決め、トリガーを使用する。
この場面で描かれることはオサムの「相対的な弱さ」である。
バムスターという得体の知らない近界民相手に果敢に挑むオサム。
しかし為すすべなく、あっさりとやられてしまう。
一方でオサムを助けに戻った空閑はかなりド派手な攻撃で大型近界民を撃破する。
この時点ではオサムという立ち位置や、空閑という人物の戦力・実力がわからない状態である。
・オサムは攻撃が通らず、回避もままならない状態で反撃を喰らっていた。
・空閑はかなりの大きさがある近界民を一撃で仕留める。
その派手さも相まって「空閑とオサムの対比」となり、相対的にオサムの弱さが目立つ結果となった。
その印象付けがかなり効果的にできた一戦だと言っていいだろう。
続く第2話では到着したボーダー隊員(三輪隊・米屋)は次のように評価している。
「すっげーバッラバラじゃん。
こりゃA級の誰かだろー」
『ワールドトリガー』1巻 第2話「空閑遊真」 作:葦原大介
この時点でA級が何かはわからないが、空閑の撃破は相当腕が立つものだという示唆である。
このことは「空閑の特別な強さ」を感じられ、「オサムの凡人っぷり」が強調されたシーンでもある。
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