今回も引き続き、三雲修の戦闘について考察・解説をしていこうと思う。
④となる本記事ではいよいよランク戦の前半についてである。
ランク戦前半
今回話していく部分はランク戦前半・ラウンド1~4までの部分だ。
このラウンド4と5の間で一度大きな転換期を迎えるため、この部分を区切りにおいている。
ラウンド2
ラウンド1では大規模侵攻直後のため、療養中のオサムは不参加となっている。
そのため玉狛第2という部隊として、そしてオサムのランク戦はラウンド2(荒船隊・諏訪隊)からスタートになる。
このラウンド2はオサムの戦略・戦術が光っていた見事な試合展開であった。
風間との模擬戦を通してオサムの長所は「知恵と工夫を使う戦い方」であることが示唆されていた。
実際、勝つためのプラン作りとして荒船隊・諏訪隊の試合記録を見返し、弱点探しや戦術考案に勤しみ、遅くまで勝つためを作戦を練っていた。
今回、オサムが実行したポイントはマップ選択権の有利である。
ランク戦においては対戦当時の順位が一番低いチームにマップ選択権が与えらえる。
この選べる有利を生かしてオサムは「住宅街C」というマップを選択する。
「住宅街C」というマップはかなり高低差があり、スナイパーが上の地形をとるとかなり有利にゲームが運べてしまう。
そのため部隊3人がスナイパーという構成である荒船隊には最も有利であり、チカというトリオンモンスターがいる玉狛第2においてもまずまずの有利となっている。
一方、近・中距離での戦闘をメインとする諏訪隊にとってはかなり不利なマップである。
諏訪隊目線で考えると荒船隊が上をとってしまうと勝ち筋がかなり限定されてしまう。
そのため荒船隊が有利な場所をとり、合流する前に落とすことが求められる。
そこの点に関しては玉狛第2も同じ条件である。
玉狛第2はあえて自分が不利なマップを選択し、有利・不利を極端に設定することによって、「まずはやっかいな荒船隊を排除しよう」という展開に持ち込もうと考えた。
そしてオサムが想定していた通り、玉狛第2・諏訪隊 vs 荒船隊という2対1に近しい構図に持ち込むことに成功する。
その混沌とした状況を機動力がある空閑が狩ることで見事勝利を収める。
合流までの動きもスムーズであったし、勝ち筋の少ない諏訪隊を上手く動かすことができたといえる。
何よりマップ選択権があるという有利を生かせた試合であった。
ただこの作戦が成功した要因として「空閑がタイマンで勝てる」という条件を忘れてはならない。
諏訪隊・荒船隊はB級中位クラスではあるが、近接戦闘における空閑はA級部隊と比べても遜色がない。
弧月マスタークラスの荒船もブランクを含めて空閑が勝利する。
「空閑がほぼ確実に負けない相手」「タイマン」「近距離戦」という3つの条件が上手く重なったからこそ成功した作戦であり、この部分の課題は次戦で浮き彫りとなる。
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