【感想・レビュー】『2.43清陰高校男子バレー部』第5話 【責任と無責任】

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2 反省する気がないユニ

 清陰高校バレー部の活動自粛が決まり、チカは河原で一人練習をしています。そこへ呑気にアイスを食べながら歩くユニが登場します。このあたりからユニに葛藤がないという部分が非常に気持ち悪いです。絃子を守るという選択はしましたが「ユニのバレー人生」「ヨリちゃんの想い」「先輩たちの最後のチャンス」「チカの期待」についてはどう思っているのか気になっていました。

 それがこのアイスを食べて呑気にやってくる姿から、何も考えてないただのクズ男感が漂ってしまいます。バレーへの想いとか、先輩への申し訳なさ、現状への悔しさといったものが一切現れないため、人の心を持っているのか疑うレベルです。結局のところ適当に生きていきたい、芯のなさが強く現れたシーンでした。

  ここからユニチカの会話シーンが始まります。

 チカ「買い食いか。気楽なご身分だな。少しは自覚しろよ。お前のせいで春高出場が不意になるんだ」

 ユニ「そんぐらいわかってるわ。先輩たちは最後の年合いで、悪いと思っている。けど俺はやましいことなんて」

 チカ3年のことだけじゃない。俺たちだってチャンスが1回減るんだ

 ユニ「お前、春高に愛着あるみたいやけど。そんなに出たいんやったら、前いた東京の学校に帰ればいいやろ

 正直、本当にクズという印象しかありませんね……。チカは真っ当なことを話しているかと思います。チカは全国大会に出られるならと部活に入ったわけですし、先輩たちもそのために部活を続けてきたのです。事件を引き起こした張本人がアイスを食べて、のんびり歩いていたら怒りたくなる気持ちもわかります。

 ただユニはそれに歯向かう態度をとるのです。反省の色が全く見えないですし、バレーができないことで先輩の人生を狂わせたことやヨリちゃんの想いを踏みにじったこと、チカの信頼を失いかねないことだったことに全く気付かないのも人として最低だなと思います。

 第4話でせっかくバレーに夢中になったユニが描かれたと思ったのに、この発言から全国に行く気がないことがわかります。ましてもう一度バレーをしようとチカを焚きつけたのはユニです。それが「東京帰れ」なんてよくいえますよね。中学では大会ブッチ、そのことは謝らない、自分が望んだ練習メニューじゃないと不貞腐れる、自分の不祥事に対し八つ当たり。もうクズ中のクズかもしれない。紳士的ではない行動に加え、芯のない発言の数々をしてきてるわけですから、共感要素がゼロなんですよね。

3 銘誠高校にて

 ユニの発言をきっかけに東京までやってきた二人。ここでも信じられない発言が飛び交います。


 チカが苦い思い出のある学校だと話すと

ユニ「そんなとこにいっても良いことがあるとは思えん」

 そう話すのですが、まともなコミュニケーションとれない、大会ブッチする、不祥事まがいのことで大会出場停止を引き起こす奴と同じ部活の時点で良いことないじゃんって思っちゃうのですよね。加えて春高出れない学校の方よりかは、東京の銘誠高校のほうがいいような気がしますけどね。


 チカの同級生がいたずらがソウタを自殺未遂にしてしまったと聞くと

「お前ら、冗談でやっていいことと悪いことの区別ちゅんが……」

 と話すわけなのですが。 中学時代に軽い気持ちで大会をサボりチカを傷つけたり、「東京戻れば」とうっかり話してしまうユニの口からきいても説得力のせの字もありませんね。

 正義ぶっていても自分もだいぶクズですよ。確かにチカの同級生もひどいことをしましたが、それをユニが怒れるほど誇れる人生を送ってないじゃないかと思ってしまいます。本来であったら「今の学校にしてよかった」と思え、相棒との絆を再認識できる良いシーンであるはずです。しかし肝心の相棒がドクズなので、まったくもって共感できませんでした。


 そして謎にパスを要求するユニは、誰もいないコートにスパイクをします。

 「灰島、こんな奴らとバレーする必要ない。お前がバレーするんは清陰や」

 そうして先輩たちの名前も列挙し、清陰でバレーをしようと改めて誘うわけです。

 まずは謎スパイクですよね。カッコいいでしょみたいなシーンにしたかったのかもしれませんが、特にカッコ良くもなくすべっています。

 そして清陰でバレーしようとというのもおかしな話ですね。そもそもユニのほうから東京でバレーしたら、といったわけですから「清陰でバレーしよう」なんて言える立場でも、そんな権利を持っているわけでもないんですよね。むしろ「あんなことつい口走ってしまい。申し訳ない。反省するからいっしょにバレーしよう」という誠意を見せるべきでしょ。なんで誘う立場にあるのかが理解できません。また、そもそもバレーができない状況をつくったのはユニのほうです。「清陰でバレーしよう」というものの、秋季大会中止・春高出場も危ういわけです。そういうことをいうならいち早く事の真相を話し、春高に出場できるように頼み込むべきではないでしょうか。正直ユニがついて来いよというスタンスなのも納得できないし、自分だったら銘誠も清陰も変わらないような気がしますね。

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