【感想・レビュー】『2.43清陰高校男子バレー部』第7話【練習試合とその後】

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春高のセンターコート、行きたいか?

「春高のセンターコート、行きたいか?」

 スバル越智に言わせ続けてきた、このセリフの演出はいいなと素直に感心しました。

 スバルは才能もあり、メンタル面でも強い、いわば強い人間です。しかし、「スバルはすごい」「スーパースターだ」という認識が強くなりすぎ、スバル本人のキャパに収まりきらなくなったのだと思います。

 おそらくそんなプレッシャーに潰されそうになったときに出会ったのが越智なのではないでしょうか。越智が春高のセンターコートに行きたいと言い続けることはスバルの精神的支柱となっているのです。スーパーエースのスバルがわずかに弱みを見せる瞬間というのはエモいですね。

スバルを心配する越智

 練習試合中、スバルにボールを集めることを終始心配する越智

 「ったく、無茶すんなって」

 「さっきのセット、あそこまで張り切らんでも」

 練習試合、それも第1セットであるにもかかわらずそこまで心配している意味がよくわからないのですよね。スバルのケガを心配していたのかもしれませんが、憔悴しきっているわけでも、連戦しているわけでもありません。1セットも戦えないぐらいなら、そもそもバレー辞めたほういいですよね。無駄な演出が気持ち悪かったですね。

 先ほどの流れで気になる点がもう一つ。スバルが自分語りを始めるんですよね。

スバル「守るもんがある。福蜂の主将で、エースで、県のMVPで、俺に期待している人たちみんなを全国のセンターコートに連れれてかなあかん。センターコートまで届かんかった先輩たち、チームの連中、そいつらの家族、それとお前と監督と。俺には守らんとあかんものがアホかってぐらいある」

越智「お前、背負いすぎや」

スバル「その期待と責任が俺に力を与えてくれる。新参者のあいつらには絶対手に入らん。どでかいエネルギー源を俺だけが持ってるんや。だから俺は誰にも負けんのや。」

 

 ここでぶっこむ必要のあるセリフなのかこれは、と思うほど唐突な話でした。

 こういうセリフって二人きりでしんみりとした状態でこそ雰囲気が出るじゃないですか。春高予選決勝前夜とかで聞きたいのに、このたかだか練習試合で突然気合が入るような言葉を言われても、ギャップがすごくてついていけないですよね。

 この一連の流れが、福蜂のエースってこんなに大変なんだ。もっと憐れんで、もっと応援してという製作側の意図が丸見えで、感情を素直に受け止めることができません。場所と雰囲気を考えたセリフにしてほしいですね。

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