【感想/レビュー】『一ノ瀬家の大罪』【第10話考察】タイザン5

一ノ瀬家の大罪

新しい”翔”

 一番の衝撃は何といっても新しい”翔”が登場したということだろう。

 これには読者は度肝を抜かされたに違いない。

 これまでの『一ノ瀬家の大罪』を振り返ると、確かに謎解き要素で溢れてはいた

 そして過去の自分たちが引き起こした問題を引き継ぎ、解決しなくてはいけないという課題があった。

 しかし、翼・詩織の問題解決がかなり順調に進んでおり、このまま家族一巡してあっさり終わるのか、味付けがシンプルだなと思っていた。

 ただ前作『タコピーの原罪』でも「しずかのタイムリープの話だと思っていたら、元々の主人公はまりなであった」というどんでん返しを披露していた。

 今回もそれと同様のことをしてみせたのだ。

 いやでもさすがにここで再び記憶喪失を持ってくる、そして父が知らない父に代わっているというシナリオをもってくるとは到底予想がつかなかった。

 なかなかものすごい設定と展開をもってくることだ……。


 注目すべき点は3つある。

 ひとつは記憶喪失だけで済んでいるという奇跡。

 前回(第1話)での事故については、“全員が記憶を失う”という設定であると捉えていた。

 しかし今回についても事故を発生させており、症状は「記憶喪失」のみ

 山道のガードレールに突っ込みながら記憶喪失以外に大きなケガをしていないこと、そして翔が想定した通りの記憶喪失になっていること。

 この「記憶喪失だけ」という予定調和的な症状が、何か大きな力が作用しているように思えてしまう。


 2つ目は新しい”翔”についてである。

 容姿が異なるほか、以前の翔が「翼くん」と呼んでいたのに対し、新しい”翔”は「翼」と呼び方自体が異なる。

 つまり全くの別人なのだ。

 ただ以前の翔について、第1話「一ノ瀬家の復活」で免許証をみせながら自己紹介をしており、ぼんやりとしか描かれてはいないが顔写真も一致している。

 また後半に登場する家族での集合写真でも同じ容姿の人物が写っている。

 この写真はおそらく詩織が7歳の誕生日を迎えたころであり、現在の詩織は12~13歳であることを踏まえると5年以上は一緒に暮らしてきているはずなのだ。

 ここまで裏付けさせておきながら新しい”翔”が登場しているのだから、本当に誰?状態

 翼が話した「翔さんが、お父さんが俺のお父さんで良かった」という言葉をこんなにも早くぶち壊すとは……。


 そして最後にここがどういう世界かという部分で、これが一番重要だと考えている。

 『タコピーの原罪』ではタイムリープが行われていたが、『一ノ瀬家の大罪』ではどうだろうか?

 同じGW終了直後へタイムリープというには父親が代わっていることの説明がつきにくい。

 異なる世界線・パラレルワールドへの移動か。それでも何度も記憶を失っているみたいだからいまいち説得力に欠ける。

 とにかく時系列などがの詳細が明らかにならない以上、これ以上の考察は難しい。

 ただ「確実に記憶喪失ができる」「父親が代わる」という謎現象が発生する不思議な世界であることだけは間違いないし、一ノ瀬家の今後を握る需要な要素だ。

 これに関しては次週以降を待つ他ないだろう。  

まとめ

 予想だにしない急展開を迎えて考察する身としてはかなり困惑しております。

 この一ノ瀬家、家族団欒だけでは全く解決しなそうなめちゃくちゃな闇を抱えているのが本当に怖いですね。

 笑っているだけじゃダメということで、何か根本的な部分を解決しなくてはならないことでしょう。

 これからも加筆修正する予定ですが、まずはどういう世界なのかと父親の動向に注目していきたいですね。

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