翔と美奈子の過去
翼と詩織が外出中に”本物の翔”を見かける。
アパートのドアが開き、一人の女性が子供を抱えて出てくる。
驚く翼と詩織であったが、同じ背景で美奈子の姿も描かれている。
おそらくこの美奈子は過去の姿であろう。
つまり翔が不倫をしている姿を美奈子は見かけてしまったのだと考える。
「翔さんありがとう。
毎日来てくれるようになって、けんたも喜んでます」
『一ノ瀬家の大罪』第12話「翔の発覚」作:タイザン5
このことからも“本物の翔”は定期的に女性の家を訪れていたことがわかる。
さらにけんたが「おじさん」と呼んでいることからも、この世界においても二人は夫婦関係ではない。
またこの「翔が入れ替わった世界」であるが、家族の翔が変わっただけであり、その他の生活については大きな違いがないと思っている。(職業についてはまだわからないが)
つまり元の世界においても翔は不倫をしていた可能性が極めて高い。
これが翔と美奈子の夫婦仲を破壊した要因であると推測する。
不倫を知ってしまった美奈子は多大なストレスを抱えてしまう。
その結果、七つの大罪「暴食」へとシフトしてしまったのだろう。
美奈子は翔の手ではなく、菓子パンを求めるようになったのだ。
今回、美奈子の部屋が明らかになったが、お菓子やパンで溢れる部屋だった。
加えて、自室にも冷蔵庫と電子レンジを備える準備っぷり。
かなりの過食へ追い込まれてしまったのだ。
そして、そういう不幸な記憶を封じ込めるために「思い出しちゃダメ」と自分に言い聞かせていたのだと考える。
また余談ではあるが”本物の翔”が女性の部屋で過ごすシーンにて、「家族旅行 福井」という雑誌がおいてあるのも気になる。
やはり「福井」というワードを欠かすことができない。
この世界について
さて問題となる部分はここがどういう世界なのかという部分だ。
この不可思議な世界については解き明かさなくてはならない。
この世界は6人が望んで訪れた、全く別の世界であると考えている。
タイムリープ説などが出ているが、私はそうとは考えない。
今回、”新しい翔”は大きなヒントを残している。
「思い出さなければ傷つかなくて済むのに。
そのためにここがあるのに」
『一ノ瀬家の大罪』第12話「翔の発覚」作:タイザン5
まずは”新しい翔”がこの世界について知っている、ゲームマスター的な立ち位置であることが確定する。
だからこそ思い出させないように第11話ではスマホを変える・翼のいじめを自ら解決させるという手段をとっていたのだろう。
なおかつ一ノ瀬家が6人で映る集合写真であることからも、第1話から存在する翔こそが”本物の翔”が保障されることとなる。
そして最も重要な言葉が「ここがあるのに」という部分だ。
「ここ」という言葉がある以上、「ここじゃないどこか」がある。
そして「ここじゃないどこか」であると一ノ瀬家は重要で深い傷を思い出してしまうのだ。
だからこそ「ここ」という場所にはすべてを忘れるため、逃避という目的があってやってきたのだと考えられる。
また「そのため」「ある」という語からも、偶発的に訪れた場所というよりも一ノ瀬家が望んで訪れた場所、あるいは「嫌な過去を思い出さずに済む世界」へ導かれたと捉えることができる。
そう言った意味では電脳世界のように作り出された世界であると踏んでいる。
ただもしそうであるなば自分だけのユートピアを作ればいいだけの話で、わざわざ自分の狂った部屋を再現する必要も、過去を思い出させるようなアイテム・人間を取り込む必要がないのだ。
まだ考察にも穴があるが、このような軸で考えていこうと思う。
推測がまとまっていないが、今回はこのあたりで。
次回までにもう少し記事まとめるのでどうぞよろしく。
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