最新話にて
さて渋谷事変後、死滅回遊というゲームが開催され、高専組はそこへの参加を余儀なくされる。
これは今後の『呪術廻戦』における最大のターニングポイントである。
まずは死滅回遊に際しての目的である。
高専組が死滅回遊に参加する目的であるが、非呪術師をコロニーから救うためである。そのためには呪術師・非呪術師を殺すことでポイントをゲットしなくてはならなかった。
その部分に関しては第199話「仇名」にてポイントが目標数値に達したことが判明した。
伏黒はその中でも①渋谷事変での責任をとるため多くの人を救う、②姉・津美紀を脱出させるという2つの目的で参加していた。
その目的自体はほとんど達成に至り、あとは伏黒たちが死滅回遊から脱出するルール作りを制定するのみとなった。
そして一番重要な点は③五条悟の復活である。
非呪術師を救うという点は確かに大事ではある。
しかしそれは対症療法でしかなく、原因療法ではない。
根本である羂索を殺さなくてはならない。
そのためにも五条悟の復活は絶対条件なのだ。
しかし問題となるのは五条悟復活の手段である。
作中で提案されたのは3つ。そのうち術式を強制解除できる「天逆鉾」と術式公開を相殺できる「黒縄」はすでに入手困難な状態にある。
そこで提案されたのが「天使」を名乗る呪術師の存在だ。
その天使の術式は師術式無効化できるため、五条の封印も解くことができるというのだ。
紆余曲折ありながらも天使と出会うことができた虎杖と伏黒。
実際に呪物の封印を解くことが可能と述べる天使であるが、その代わりに条件を提示される。
それは”堕天”と呼ばれる泳者を殺すことであった。
しかしその“堕天”というのは宿儺のことだと判明する。
伏黒と虎杖の今後
ここでようやく本題に入ることができる。
問題点となるのは伏黒の価値観についてだ。
これまで見てきたように伏黒の死生観は確立していた。
ポイントしては「呪胎戴天」で見せたように救うべき人間の優先順位というのが彼の中で線引きができていた。
善悪の指標もしっかりと定められていたように思う。
これまでの伏黒の価値観を振り返ると「真っ当すぎる善人」「救いたい仲間」「一般人」「救う価値のない悪人」の4種に分類できると考える。
初めの「呪胎戴天」では「真っ当すぎる善人」「救う価値のない悪人」という価値観で伏黒と虎杖が対立をしていた。
「起首雷同」では姉・津美紀を登場させることで伏黒がいかに「真っ当すぎる善人」を愛しているかを示した。
また「渋谷事変」では伏黒の価値観でこそあまり出ていないものの「救いたい仲間」「一般人」も絡めたストーリーであった。
そして渋谷事変を終え、「一般人」をいかに救うかという展開へと進展した。
では「死滅回遊」ではどうなっているか。
「真っ当すぎる善人」「救いたい仲間」という伏黒が軸においている人物同士の命を天秤にかけることとなる。
先にも述べたように、まず崩壊する日本を根本的に救うためには五条悟の力は必須である
ただ先ほども書いたように、五条悟の封印を解く手段は現状「天使」の術式に頼るしかない。
そのためには“堕天”こと宿儺を殺さなくてはならない。
ここで「日本全土の一般人」と「虎杖悠仁の命」を天秤にかけることとなる。
この天秤については虎杖だけではなく、伏黒も当然関わってくる。
いやむしろ虎杖が自死を選ぶとなると無理にでも止める可能性が大いにある。
これまでであれば虎杖を救うという選択をしたであろう。ただ今回は規模が異なる。
そんな中でどういった決断をするのかがこれからの見どころだろう。
さらに、その一般人の中には姉・津美紀も含まれる。
つまり伏黒が大事に思っている「真っ当すぎる善人」同士で天秤にかけなくてはならない。
どちらも助けるというのが理想だろうが、状況を考えると今回に限ってはどちらかしか助けられないと思う。
これまで明確な線引きをしてきた伏黒が命の価値観で初めて悩むのではないかと思う。
そういった意味では伏黒が虎杖の生死と大きく関わっており、伏黒が虎杖の命運を決めていると言っても過言ではない。
いよいよ呪術廻戦は終盤。
今後も目が離せない展開が続くとは思うが、今回の記事で述べた虎杖と伏黒の関係性にも注目してもらいたい。
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