本誌では佳境を迎えている『呪術廻戦』であるが、そんな今だからこそ羂索と呪霊組という視点でお届けしようと思う。
前回の記事は↓から。
羂索と呪霊組
呪術廻戦の中盤、渋谷事変までのストーリーで悪役の中心となっていたのは呪霊組であった。
移動中の五条を襲撃、吉野を利用した真人の”遊び”、そして京都校との交流会中に行われたテロ。
さらには起首雷同編や与幸吉の脱出にも一枚噛んでおり、呪霊組はまさにザ・悪役としてのポジションを確立していた。
そんな中で裏ボスとしての立ち位置を確保していたのが羂索。
当時は目的も明らかにならず死んでいるはずの夏油が、というような謎の存在であった。
この2組の関係性について追及しつつ、実は初めから呪霊組が詰んでいたということを話していきたい。
① 宿儺の復活
まず一番に語りたい部分は呪霊組と羂索の目的である。
本来、呪霊と人間が手を組む理由はない。
それにもかかわらず、この二組が手を組んでいたのは「宿儺を復活させる」という共通の目的があったからだ。
呪霊組は宿儺の復活により、呪霊が蔓延る最高の世の中を作ろうと計画していた。
そのためあくまで羂索とは目的が一致しているという一点のみで手を組んでいた。
それ以上でも、それ以下でもない。ビジネスライクな関係であるということはファンブックでも語られている。
宿儺の復活という部分にのみ着目しているため、呪霊組も羂索の出生をさほど気にしていない様子であるし、羂索もわざわざ語ろうとしていない。
呪霊側としては”宿儺さえ復活してくれればいい”と考えており、そのことによって得られる「呪いの時代」が訪れてくれれば自分たちの命がどうなろうと関係ないのである。
むしろ、こんなチャンスはない・ぜひとも利用してやろうぐらいは考えていたのかもしれない。
死滅回游にて宿儺が復活したため、結果的には呪霊組の願いは叶うこととなる。
ただ悪い言い方をしてしまえば、呪霊組は羂索に利用されただけとも言える。
羂索の目的については主に下記の記事でまとめている。
羂索は己の出生や、宿儺を復活させた後のストーリーは明らかにしていなかったはずだ。
そのため呪霊側は羂索とはあくまでも対等であると考えていたと思われる。
ただ実際のところ、羂索は生前の宿儺と契約を結んでいた。
どんなかたちであれ宿儺を復活させるというのが羂索の大きな目的であった。
そのために虎杖悠仁という器を産み出すに至っているのだ。
つまり1000年前から「宿儺復活」という目的のためだけに準備してきた内容に呪霊たちは付き合わされていただけだ。
初めから同じ立場などでは断じてなく、羂索のレールの上で働かされていたにすぎないのである。
その意味において、呪霊組は知らないところで出来レースに参加を強要されていたのだ。
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