キマリの決意
吟隊長とキマリが山の麓を眺めながら語り合うシーン。
南極を目指す理由を尋ねられたキマリ。吟隊長はシラセに無理やり誘われてしまったのか少し気にしているようでした。
「でも決めたのは私です。一緒に行きたいって、このまま高校生活が終わるのが嫌だって、ここじゃないどこかに行きたいって。どこかじゃない、南極だって」
山際に朝陽が差し込み、綺麗な景色をみんなと共有するためキマリは3人を起こしに行きます。
そこでキマリは決意を露にします。
「私、みんなと行きたい。みんなと一緒に南極星みつけて、オーロラみて、かき氷食べて、ペンギンと記念写真撮りたい。絶対行こう」
かなり疑問が残るシーンというか、今後が心配になる不穏な空気を流して終了した第4話でした。
というのも、【よりもい考察/その0】着目点①で掲げた「南極へ行くという壮大な夢を掲げているが、南極に行って何がしたいのか」という部分についてです。
「でも決めたのは私です。一緒に行きたいって、このまま高校生活が終わるのが嫌だって、ここじゃないどこかに行きたいって。どこかじゃない、南極だって」
『宇宙よりも遠い場所』 第4話より
まずこのセリフについてはすごく共感することができました。キマリがこれまで歩んできた代わり映えの無い日常。変化のなさに安心する一方、何か夢を抱き叶えたいという気持ちが芽生えはじめました。
何か大きなことを成し遂げたいという気持ちは誰もが一度は経験したことあるでしょう。
それはキマリにとっても同じで、何かすごいことをしたいとぼんやりとした夢を抱きつつも、いつかいつかと先送りにしていました。しかしシラセと出会うことで夢にリアリティが帯び、「どこか」と捉えていた実態のつかめない夢が、「南極」というかたちになって現れました。
このシーンでは、吟隊長といういわば第三者的な立ち位置にいる人物を用いることで、キマリの夢がただの夢ではなく南極という具体性を持っていることを再認識させる良いシーンでした。
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