巷で話題となっている作品、『タコピーの原罪』。
この作品がなぜ人気なのかという考察をする第2弾となります。
今回は「大人の影響を受ける子供・しずか編」と題して、『タコピーの原罪』という作品を掘り下げていこうと思います。
第1弾の記事では、なぜ『タコピーの原罪』という作品が人気なのかについて、根幹部分を探っています。
読んでいない方はまずこちらをご一読ください。
しずかと母親
『タコピーの原罪』という作品のテーマのひとつは子供が受ける親の影響であり、その緻密で精巧な描写に魅かれている読者も多いのではないでしょうか?
ここでは大きく外的影響と内的影響の2つが描かれていました。
まずわかりやすい部分として外的影響から見ていこうと思います。
第1話から顕著に表れているように、しずかは同級生からいじめを受けています。
ではなぜいじめが起きているのか?
その根幹部分は明確に描写されていません。しかし、しずかの家庭環境が要因のひとつであるということは、いじめの主犯であるまりなの発言から明らかです。
それは生活保護を受けている家庭=裕福とは言えない家庭環境に置かれているという状態が要因であるといえます。
決して生活保護を受ける家庭がダメ、などということではありません。むしろ、そうした経済的理由でいじめが発生するというのは許されざる行為です。
ただ小学生にとって、それを理解し、容認し、対等に接するというのは難しいのかもしれません。
もちろん社会が平等性の教育を施し、大人が正しく導かなくてはいけないということは言うまでもありません。
それでも差別が起きてしまう欠陥した社会という条件下で、本作におけるしずかとまりなの違いがあるとすれば、それは「親の環境」であることは間違いなく、そして「親の影響次第では子どもがいじめにあう可能性だってある」というのが現実的な社会なのかもしれません。
少なくとも私は経済格差と人間関係が無関係であると断言できるほど綺麗な世界だけを見てきたわけではなく、読者の皆様も近しいものを見てきたという人がほとんどのような気がします。
特に自立まで遠い小学生という環境では親の影響というものは大きいのではないかと思います。
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