【感想/レビュー】『水星の魔女』【第3話考察】ガンダムシリーズ

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グエルの想い

 問題となるのはグエルは逆らうことができない一方的な関係性であるという点だ。。

 それゆえ、グエルというプレイヤーの意思や気持ちが反映されていない

 メンタルケアができていない悲惨な状況なのである。

 スレッタのと再決闘は御三家の御曹司でありホルダーという誇り高いグエルが一度負けた相手に雪辱を果たす絶好の機会であった。

 しかしヴィラの立場、企業という観点で考えてしまえば純粋な力くらべには興味がない

 大切なのは「結果」でしかないのだ

 なんせぽっと出の無名企業に御三家という最高峰の技術が負けたのだ。立場でもプライドでも許せないだろう。だからこそグエルに責任転嫁をしたのである。

 そう言った意味においてジェターク社はスレッタとの因縁云々より、勝利の2文字を掴みたかったことは間違いない。

 そのためヴィラはモビルスーツのアップデートや最新AIの投入などを行う。

 これは決闘の口上になぞられるよう、「パイロットの技術」だけでなく「モビルスーツの性能」を改良したのである。

 企業としては正解の対応であるが、ひと人間として・父親としては喜ばしい対応ではないだろう

 グエルは企業の歯車であり、ただの演者としか見てくれない父親に不満を抱いていたのだ。

 父親の興味はモビルスーツだけで、グエル自身に興味はなかったのである。

 決闘の最中も、AIを頼り、スプリンクラーという裏技までつかわれた。

 グエルのホルダーとしてのプライドはズタズタである

 おまけに最新AIとはいいつつもあからさまなデコイに引っ掛かり、足を引っ張る始末。

 グエルが憤るのも当然だ。

 第1戦目は実力差があるなかでの奇襲。第2戦目は下駄をはかされたうえ、エースパイロットとしての誇りもへし折られている最悪のコンディション。

 満足のいく試合結果ではないことは間違いない

グエルの敗北

 結果としてAIを捨てて戦うもグエルは敗北してしまう。

 しかしながら、それは親子関係の縛りからの脱却のように思える。

 これまで見たようにグエルは御曹司のボンボンでありながらもパイロットとしての技術を磨いてきた。

 たたき上げのスキルを持つ実力者である。

 しかしながらもアスティカシアの性質上、また『水星の魔女』という世界の中では親子との関係性が切っても切れない。

 これはスレッタやミオリネも同様である。

 その親による縛りから、どのように自立していくのかというのが水星の魔女』という作品の核になると思う。

 今後もこうした場面、特にスレッタの素性を含め「親子」というテーマに着目しながら物語を見ていこうと思う。

 

  

 

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