【第1回ワールドトリガーのここが面白い】「バトルにおける不自由さとオリジナリティの欠如」【考察】

マンガ

隊員同士の比較

 隊員同士が同じ武器を使うということは、その実力などの差が顕著に出るというところも面白い。

 例えばチカがボーダー入隊後、試し打ちでアイビスを使用するよう指示される。

 しかしトリオンの強大さから、ボーダー基地の壁に大きな穴をあけることとなる。

 このことは「同じ武器を使用しても圧倒的な性能が出る」ということと「チカの異質なまでのトリオン性能」をはっきりと示す描写である。

 また空閑と緑川の戦闘もわかりやすい。

 個人での成績緑川はA級に位置するアタッカーといういうことでかなりの実力者であることは間違いない。

 そんな緑川と模擬戦で10本中8本とり圧勝する。

「……お前A級だろ?スコーピオン以外使わんの?他にもトリガーあんだろ?」

「……これでいい。こっちのほうが、あんたとの差がよくわかる」

『ワールドトリガー』第5巻 第40話「空閑遊真⑧」

 このように同じ土俵で戦うからこその試合が楽しめるという点が魅力である。


 またトリガーを扱う経験や技量にも大きな差が出る。

 大規模侵攻編の後半、ラービットやハイレインとの戦闘シーン。

 オサムは攻撃を仕掛けるが、通常弾アステロイドはラービットに放つも避ける事すらされない。

 ハイレインのサイドからの攻撃は単調すぎるため防がれ、「卵の冠アレクトール」を防ぐことができずにチカはキューブにされてしまう。 

 対してA級1位の出水はラービット相手に善戦、ハイレイン相手に粘りの戦いをみせる。

 何より「卵の冠」を打ち落とすという高等技術を披露する。

 このように、同じ射手であっても大きなレベルの差が表現されている

 このように同じトリガーを使用することで、トリオンの性能・経験や技術といったものの差が明確になる。

 その対比構造がわかりやすいというのも面白いポイントの一つである。

まとめ

 バトル漫画といえば自由度の高い世界とオリジナリティ溢れる武器や能力といったものをイメージするが、『ワールドトリガー』という作品はその対極にあると言っても過言ではない。

 しかし、不自由な世界で均一化されているからこその面白さがみられるのだ。

 まだまだ面白さは語り足りないので、これからも『ワールドトリガー』に関する記事は書いていこうと思う。

 ではまた次回の記事で↓。

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