ラウンド4
迎えたラウンド4(二宮隊・影浦隊・東隊)。マップ選択権を与えられた東隊は「市街地B」、天候「雪」を選択。
東隊はマップをいじることで機動力をそぎ落とす作戦であった。
また東隊は真っ先にオサムを狙うと宣言、そして空閑相手には3人で戦う作戦であった。
それはこれまで懸念されていたオサムの戦闘力、そして空閑封じという玉狛第2としての課題とぶつかる。
なおかつこれまでの空閑はタイマンでの戦いで押し切っていたが、今回は東隊以外の部隊も玉狛第2を狙っている。
その理由は弱いからという単純至極なもの。風間やヒュースは玉狛第2の地力の弱さを指摘している。
「誰を倒しても1点ですからね。
倒しやすい相手を狙うのは基本です」
『ワールドトリガー』12巻 第98話「那須隊③」
強敵に勝っても格下に勝ってもポイントが変わらないのであれば弱い敵から倒していくのがセオリーだろう。
また有利な相手から潰すというのも一つの手段だ。
ラウンド2のスナイパーが圧倒的有利なマップでは荒船隊が真っ先に狙われたように、有利な相手を自由にさせてしまうとそれだけで勝ち筋が限定されてしまう。
今回でいえば雪という気候条件。足場が悪く移動がままならない中で、グラスホッパーという飛び道具を唯一持っている空閑は東隊にとって厄介な存在。
これまで懸念されていた通りの展開になる。
オサムは二宮隊・犬飼と遭遇、戦闘を強いられる。
銃手相手に距離を詰めたいところだが、雪で足場をとられてしまい上手く立ち回ることができない。
一方的に攻撃を喰らうのみであったが建物に逃げ込むことで難をしのぐ。
オサムも反撃するも、防戦一方の展開に追い込まれる。
そこに東隊の小荒井・奥寺が参戦。そこに二宮隊の辻が参戦。三つ巴の戦いとなる。
反撃の機会と仕掛けようとするも、かつてA級1部隊を率いた「最初の狙撃手」・東によってオサムは撃破、緊急脱出を余儀なくされる。
この後、結果としてだが玉狛第2は勝利を逃すこととなる。
オサムの離脱についてだが、しょうがない部分だと私は考える。
バックワームを起動して合流していればと後悔している様子が見られるが、あくまでこれは結果論。
4人が戦っているなかで一人か二人落とすことができるチャンスでもあった。
それよりむしろ壁抜きという超絶テクニックを見事成功させた東の技量を称えるべきだろう。
確かに狙撃手の警戒を怠っていたり、これまでの試合経験がないことから東の実力を過小評価していたのかもしれない。
ただそんな事態はいつでも起こりえると思うのだ。
自分の力量や努力の成果を発揮できないことはあって当たり前。
そうした場面が訪れた時、その後どう切り抜けるかのほうが大事であると考える。
「あのくらいでへこむなんて自惚れもいいとこです。
……努力なんて一週間やそこらで実を結ぶものじゃありませんから」
『ワールドトリガー』12巻 第113話「影浦隊」
確かにオサムも成長している。
以前であれば犬飼と遭遇した時点で倒されてしまっていてもおかしくはない。
地形と射程においてフリのなか、シールドで耐えきり、そして室内に逃げ込むというワンセットまで凌ぐことに成功している。
また防がれはするものの、カウンター→置き通常弾という連撃も披露する。
東隊の参入という事態に救われたものの、ここでももうワンセット耐えている。
そういった意味では成長している様子が描かれている。
しかし、いきなり空閑レベルまで到達できるほど甘くもないというのが現実だ。
カウンター→置き通常弾という手法は悪くないし、以前と比べて反撃のイメージが出来つつあるのだろう。
ただそれは一切当たらず、常に防戦一方で終わってしまった。
B級上位との実力差が如実に表れていたシーンである。
「犬飼との1対1も完全な悪手というわけじゃない。
新しいことをやろうとする姿勢は見えたし鍛錬による成長も感じられた。
だが当然三雲以外の人間も日々鍛錬を積んでいる。
当たり前のことをやっていては先を行く人間には追いつけない」
『ワールドトリガー』13巻 第115話「三雲修⑬」
まだまだ埋められない実力差をどう対処するのかという部分が、ラウンド2~4を踏まえての課題であるといえる。
まとめ
「知恵と工夫を使う戦い方」という可能性を見出されたオサムはその期待に応えるようにランク戦を勝ち進めていった。
また大規模侵攻編以降、戦闘においても急速な成長を見せ続けていたオサム
しかし、「空閑頼りのチーム」という脆さ、B級上位との壁、そして個人技のスキルアップなどさまざまな課題が立ちふさがる。
オサムは隊長としてどう動くのか、そして戦術以外に戦闘の技術をどう磨くのか。
遠征をかけたランク戦の行方はどうなるのか。
次回の記事でもオサムの成長という観点でまとめていこうと思いますのでどうぞよろしく。
ラウンド5編↓
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