オサム成長の手がかり
ラウンド4を終え、指導を貰っていた嵐山隊へお礼をしに訪れる。
ここでオサムは自分で点を獲ることに執着していたということを顧みる。
「一朝一夕でやれることじゃないのに
ぼくは自分で点を獲ることに拘って
結果的に空閑や千佳の負担を増やしてしまった……」
『ワールドトリガー』 14巻第121話「ガロプラ」
射手として一人で戦うことの難しさを身を持って痛感したのであった。
可能性が低い自分自身の成長より、チームとしての戦術というより具体的に勝率が高いものを考えようとしていた。
物語序盤では人助けや戦闘についてリスクを取り続けていたことを考えると、精神的に成長した部分だといえる。
戦術に主軸を置くと話すも、その具体的な手立てが浮かんではいなかった。
そんなオサムを見かねた時枝は、同じくトリオン量の少なさで悩んでいたという木虎への相談を勧める。
このトリオン量の少なさはそれだけでディスアドバンテージとなる。
トリオンの総量が少ないということは出力にもかかわる。
大規模侵攻編でのラービット戦では出力の差が顕著にみられたように、攻撃力・防御力にも直結している。
また狙撃用武器はトリオン量によって能力値が変わる。つまりトリオン量の有無は火力に直結する部分でもある。
だからこそトリオンが多いということは、それだけで才能であるのだ。
また選択肢という面でもトリオンは重要になってくる。
トリオンが少ないということは、取れる戦略に限りがあるということだ。
オサムが銃手を希望した際、烏丸は突撃銃・拳銃ではなく射手を勧めている。
「銃手タイプは安定している分、トリオン能力の差がモロに出る
トリオンが弱いおまえは先に進むほど不利になるぞ」
『ワールドトリガー』5巻 第35話「三雲修④」
この発言はオサムが生き抜く術として射手を提案しているが、トリオン量が少ないということはそれだけで選択肢が減ることを意味する。
ほかにもさまざまな制約があるが、大まかな部分で話すと以上になる。
木虎も同じような悩みがあった中、オサムに対して“スパイダー”というトリガーを提案する。
ワイヤーを張り巡らせ、相手の動きを邪魔するというシンプルなトリガー。
ポイントに直結しにくく人気がないトリガーではある。
木虎がこれを勧めた理由はオサムが自分自身で点を獲るためではなく、空閑を支援するという目的のためであった。
「三雲くんがその場にいなくても、最悪真っ先に落とされても
何度でも味方の援護ができるのよ」
『ワールドトリガー』14巻 第122話「木虎藍⑤」
こうしてオサムは秘策をぶら下げてラウンド5に挑む。
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