陣の強み
そして陣の強みとしては、オサムがその場にいなくてもいいということだ。
ラウンド5の終盤戦では、柿崎隊と香取隊は別方向から攻める。
しかしどちらにもワイヤー陣が完成されている。もちろん追加できるに越したことはないだろう。
ただオサムがその場にいなくとも、空閑はオサムの支援を享受することができるのだ。
それは木虎が話したように、オサムが落とされても変わらないことだ。
特にラウンド5の最終局面ではワイヤーを有効活用した香取に対して、離脱間際にワイヤーを仕掛けたことが決勝点に繋がる。
オサムの発想
オサムの発想という部分でも評価したいのが、ワイヤーの色を駆使している点だ。
「罠があるって思わせとくだけで判断力の何割かは奪える」
『ワールドトリガー』18巻 第155話「王子隊」
ただワイヤーではなく、あえて色を使うことで意識をさまざまに割く。
余計な情報を与えることで思考を鈍らせ、精神的な優位を獲得することができるのだ。
落ち着きがみられたオサム
まずこのラウンドでのオサムは支援をテーマにしていた。
これはラウンド4にて、味方との合流を待たずに自分の力で点を獲ろうとして失敗したという要因が大きいだろう。
序盤での香取隊に向けた攻撃するも、それらは空閑の追撃というかたちをとっていた。
またワイヤー陣を展開し香取隊との戦闘になっても、決して深く攻め込みはせずに耐えの姿勢であった。
ただ若村がワイヤーに引っかかり転んだ際、好機だと考えたオサムは深く切り込む。
それでも空閑が戻ることをオペレーターの宇佐美から聞いていたからだろう。
ワイヤーという強みを生かしつつ手持ちの武器をうまく使いこなしていた。
ここで若村を倒しきるというのはかなり評価できるポイントである。
ラウンド4では一人で点を獲ることに執着し、冷静さを失ってしまったこと・東のテクニックが素晴らしかったこと・運という要素が絡まり完全に作戦が失敗していた。
一方のラウンド5では支援に徹するといういつも通りのスタンスをとったことで、結果的に自分の力で点を獲ることができたというのは何とも皮肉な話だ。
これらは耐えに徹していたからこそもぎ取った勝利であるといえる。
まとめ
これまでのオサムは戦術という分野に限定されており、戦闘での成果を見せることができなかった。
しかしスパイダーという支援武器を身に着けたこともあり、玉狛第二はチームとしての底力を上げることに成功した。
ただその中でももちろん課題は残されている。
その後については次回の記事にて。
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