【レビュー】
この第二話を端的に表すのなら「良い意味でガキっぽい回」だと思いました。
まずは一つ一つをゆっくり振り返ろうと思います。
はじめにユニがチカの過去を知ってしまってからの行動です。
すでにチカは人間関係が原因で転校してきているわけです。
それなのに「チカは同級生を自殺未遂に追い詰めた」というレッテルを貼られてしまえば、学校や部活がまともにできるはずがありません。
もう嫌われてしまった、学校に居場所がないかもしれない。そう思ったに違いありません。
加え、ユニの発言にも問題があります。
ユニが練習を毎日するようになり、仲間のように思っていたのに「バレーはお遊びだから」と言われてショックを受けたことでしょう。
そうしたことが相まって学校を休んだのだと考えられます。
そんなチカの家にもユニが訪れます。
まずヨリちゃんとは距離を置く宣言をしました。
これはバレーにしばらくは集中するという意思の表れでしょう。
また、「お前の評価は俺が自分で決める」ともいいましたね。
このセリフには痺れました。幼馴染ということもあってか信頼している様子のユニ。
ジャンプらしい友情が描かれていて大変良かったですね。/
そしていよいよ始まった中学最後の大会。
ここでの違和感はやはりユニのメンタルでしょうかね。
おそらく一番緊張するのはその日最初の試合でしょう。
それが人生初めての大会ならなおさらだろうと思います。
それが初戦に緊張はみせず、二回戦で突然緊張に襲われるのはなんだか不自然でしたね。
二回戦で緊張するのなら、なぜ一回戦では緊張しないで突然緊張したのかの描写をしてほしかったですね。
こうした違和感を除けば、二回戦の描きかたは個人的に好きでしたね。
練習通りのプレーが突然できなくなり焦るユニ。チカが助けてくれない、自分でどうやって解決すればいいのかという孤独感・不安感に襲われるユニが印象的でした。
その後、チカの横暴ともいえる活躍のおかげでなんとか試合には勝てたわけですが、ここからが面白いところですね。
ユニは自分の居場所を失ったように感じます。
これは自分が活躍できなくてもチカがいさえすれば勝てるという勘違いから生まれた誤解です。ユニ以外にスパイクを打てる人がまともにいなかったチームです。
チカのワンマンプレー以外には勝てるる道がない状況だったと思います。
それをユニは「自分はチームにいらない存在」「チカは自己中心的な人物」と捉えてしまったのです。
まさにこういうシーンが、大人になろうとするもなりきれていない「ガキっぽい」不完全な精神状態を表していると思います。
今回であれば、自分の失敗(普段通りの力を出せなかったこと)を、自分がいなくてもいいという形でチカに責任を押し付けているのです。
翌日、集合時間に遅れたユニは一時間遅れで会場にたどり着くわけですが、顧問からバレー部が負けたことを知らされます。
そこでようやく自分の過ちに気づくわけですね。
チカも本当は6人でバレーがしたかったがユニが不調でやむを得ずワンマンプレーをしたこと、それをチカを悪者として扱ってしまったことを理解して反省するも、ユニが大会に遅れてきたという事実はもう覆ることはありません。
ただこれが試合に出たうえで負けたならよかったでしょう。
しかし、ユニが遅れてきたということは「ユニがチカに下した評価」でもあります。
「お前の評価は俺が自分で決める」
そう話し、バレーに一生懸命取り組むユニのことをチカはだんだんと信頼していったと思います。
しかし、バレーより絃子の見舞いを優先したことで「ユニがバレーに抱いていた熱量はこの程度だったのか」と、チカは失望したことでしょう。
これはユニがチームメイトに連絡しなかったことからも、そう判断できるかと思います。
そして「チカ一人でいれば勝てる」。
ユニが顧問に話していたこのセリフをチカは聞いていたのかもしれません。
チカとしては「みんなでバレーをする」ことで、前の学校の評価を打ち消そうとしていたのだと思います。
ただユニの勘違いと「一人いれば勝てる」という言葉で、「ユニからの評価≒転校前の学校の評価」と重なってしまったのでしょう。
それだからこそ 「お前の評価はわかった。もういい。終わりだ」と言ったのだろうと思います。ともかくユニが早まった判断をしたため、チカはユニに見放されたと思い、チカもユニを見放すという展開になります。
【まとめ】
ん~、実に青春ではないでしょうか。人は過ちに気付き成長していくものですから、人間の悪い部分とこれからの希望が垣間見えた良い回だったと思います。
これからの展開が重要になってきますね。
ユニが原因で決別してしまった。
しかしながらユニは「チカとバレーがしたい」という本心に気付くわけです。
中学最後の大会が終わったことで、次はいよいよ高校編を迎えることでしょう。
ユニはどのようにしてチカとの関係性を取り戻すのか。ここに注目していきたいですね。
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