本誌では佳境を迎えている『呪術廻戦』。
今回は宿儺と受肉の必要性というテーマでの考察をしていこうと思う。
前回の記事は↓から。
宿儺と受肉
もともとの『呪術廻戦』という作品の世界観を1話より振り返ろう。
特級呪物である「宿儺の指」の回収を指示された伏黒。
その封印が解かれしまい呪霊に狙われるが、虎杖との協力により一時は事なきを得る。
しかし油断した先で不意打ちを喰らった伏黒は窮地に追い込まれる。
「呪いには呪いでしか対抗できない」
その言葉を聞いた虎杖は、伏黒を助けるため「宿儺の指」を体内に取り込む。
その機転が仇となり、”呪いの王”である宿儺が受肉してしまう。
以上が大まかな第1話の流れである。
問題となるとなるのはこの受肉が偶発的なものではない可能性が非常に高いということだ。
詳しいことは後述するが、死滅回遊にて結界に入る以前から虎杖が泳者であったこと、”虎杖悠仁”という器があらかじめ用意されていたこと、宿儺と羂索の間に縛りがあることなど。
生前の宿儺が望んでいた結果、今回の受肉に繋がった説が濃厚である。
これらが仮定通りとした場合、宿儺がどうして受肉を望んだのかという謎が浮かび上がる。
受肉という行為
まず宿儺に受肉が必要であったかどうかについて考えてみよう。
受肉した死滅回遊の泳者をみると、基本的には目的があって受肉に基づく契約を行っている。
例えば鹿紫雲であれば宿儺との戦闘、石流であれば人勢のおけるスイートを求めたからこそ受肉を求めた。
ここで第220話「自浄自縛」にて死後呪物になる方法を知っていたのが羂索だけであることが明かされた。
つまり過去の術師は、はるか先の未来で受肉するためには羂索に頭を下げなければならない立場であった。
もちろん頭を下げるだけでいいのであればまだいい。
しかし羂索にお願いするということは、同時にリスクを背負うことにも繋がる。
飄々と生きる羂索が自分の願いを叶えるために協力する。
そうではないことは過去の術師たちも理解していたはずだ。
だから何かしら羂索の思惑に協力するということを理解しつつ、その正体不明のリスクを受け入れたうえで受肉を望んでいる。
事実、死滅回遊に参加することになった過去の術師は「羂索のことだから何かあるかもしれない」という理由からポイントを集めていた。
しかしこれは本誌にて近しい距離を保つ宿儺にとっても同じである。
受肉に関する契約について、羂索に有利な条件であることは間違いない。
そんな状況で宿儺が現代に受肉する必要があるのだろうか?
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