【感想/レビュー】『一ノ瀬家の大罪』「耕三の告白」【第16話考察】タイザン5

一ノ瀬家の大罪

翼たちがいる世界

 これまでの考察でも述べていたが、自宅内ではほとんど会話するシーンが見られなかった耕三。

 そんな彼がついに口を開く時が訪れたのが今回16話である。

 まず一番重要な点として、16話「耕三の告白」での時間軸は2000回目のループであるということだ。

「これはオレが体験した2000回のループの全ての記録だ」

『一ノ瀬家の大罪』16話「耕三の告白」

 つまり同じ世界を何度も繰り返し、そして抜け出せずにいるということだ。

 そのループのトリガーとなるものが「事故の真相を知ろうとする」「家族の誰かが事故について言及する」というものだった。

 そういう事情があったからこそ、ループを避けるために耕三は自らの口を閉ざし続けていたのだ。 

 さて問題となるのはなぜループしているのかという原因の部分である。

 ただこのことについて考えるためにはこれまでの話を総括する必要があるため別記事にてまとめようと思う。

 しばしお待ちいただけると。

 余談ではあるが、直接的なかかわりのなかった耕三が翼と中島の和解や詩織と穴水との関係を止める直談判など、個人でしか知らないであろう詳細まで知っているのは気になるポイントである。

 詳細まで知ることができた理由があるのか、それとも耕三の信憑性を増すための演出なのか。

 頭の片隅にはおいておきたいところだ。

ループの変化

 2000回のループを経てようやく変化が訪れた。 

 翔が何かを思い出したことにより、「事故の真相を知ろうとする」というトリガーによるループと、耕三以外の記憶が引き継がれないという問題が解消された

 初めの注目ポイントは1999回目とそれ以外のループでは何が違うのかということだ。

 1998回のループを行っても何も変化がなかったということは、1999回目では明確な変化が生まれたということだ。

 私が思うに、事故の真相に自力で辿り着こうとしたという点であると考える。

 回想では家族間で話すことがトリガーとなってループが発生している。

 ただ耕三の部屋には事故やループに関する資料がたくさん見受けられるが、これは今までのループでも行ってきたものだと考えられる。

 その場合、事故の真相に自力で迫る行為はループの対象ではないと考えられる。

 つまり誰かに話す・聞くことがループの原因ではないだろうか?

 だからこそ、翔は自力で事故のことを調べ上げたことはループにとっても大きな変化だったといえる。

 また美奈子も同様に、自分の力で日記にたどり着いたからこそ”新しい翔”に消されたと推測できる。


 今回16話はかなり情報量のある回であった。

 おかげさまで考察しがいのある1週間となりそうなので期待して待っていただければと思う。

 それではまた次回の記事で。

 

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