京都交流戦にて
京都姉妹校交流会にて、虎杖の殺害命令が出される。
そのことについて交戦中の伏黒と加茂憲紀が言い合うシーンが見られる。
「それに俺は自分のこと「正しい」なんて思ってないです。
いやスミマセン違いますね。俺は自分が正しいとか間違っているとかどうでもいいんです。
ただ俺は自分の良心を信じている。自分の良心に従って人を助ける。
それを否定されたら、呪い合うしかないですよね」
Ⓒ『呪術廻戦』6巻 第44話「京都姉妹校交流会-団体戦⑪-」
まずここでの発言から、伏黒は虎杖を助けたことを一切後悔していないことがわかる。
なおかつ迷いが感じられない。自分の信念に従った行動であるから、結果を疑おうとしていないのだ。
自分が守るべき対象とそうでないものの線引きが明確である。
いざとなったら自分の大切なものを守るだけの腹づもりはできている。
こういう部分から伏黒の肝の据わり具合であったり、意思の固さがわかる良いシーンである。
また「正しさ」という普遍的で曖昧な価値基準を指標にしていないという点だ。
正しさは人や状況によって変わってしまう実に流動的なものだ。
だからこそ「自分の良心」を判断の基準にしている。
そう言った意味においても、伏黒は自分の中にしっかりと定まった軸があると言える。
そして花御戦ではこのようにも語っている。
「俺は皆とは違う。守る人間を選ぶ。俺が一番背負っていない。だから俺が先に倒れることなんてことは許されねぇんだよ」
Ⓒ『呪術廻戦』6巻 第47話「呪具」
この発言は加茂憲紀が次代当主として、真希が禪院家に認られるために高専で命を懸けているという姿を見ているほか、虎杖のことも頭に浮かんでいたと考察する。
虎杖が多くの人を救おうとする一方で、伏黒は守る対象を選んでいる。
そう意味では言葉通り、背負っていないということになる。
それはつまり守る対象を選んでいるからこそ、その使命は果たさなくてはならないという考えだ。
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