禪院真希と禪院直哉
続いてみていきた人物は禪院真希と禪院直哉の2人である。
大前提としてであるが禪院家というのは完全能力主義かつ男尊女卑が横行している世界である。
直哉が「寂しいなぁ。昔みたいにまたイジメたろか?」という発言と倒れている真希を直哉が踏みつけている描写からも、真希が禪院家で暮らしていた時には目に余るほどのイジメがあったことが想像できる。
真希が女性であること、そして術式を持たないという2点から完全に見下していた。
しかしながら結果としては真希の逆襲により、敗北を喫することとなる。
羂索と乙骨
特に顕著な例が羂索である。
彼は五条悟を徹底的にマークしていた。
過去に2度も六眼に敗北していることから、「幼魚と逆罰」「京都姉妹校交流会」「起首雷同」「宵祭り」「渋谷事変」と5編に渡って五条悟封印の準備を整えていた。
そのため自分が最強であると過信はしていなかった。
一方で五条が評価しており、同じく特級である乙骨憂太に対しては興味を示さない。
「忘れたのか?僕に殺される前、その体は誰にボコられた?」
「乙骨憂太か。私はあの子にそこまで魅力を感じないね。
無条件の術式模倣、底なしの呪力。
どちらも最愛の人の魂を抑留する縛りで成り立っていたに過ぎない。
残念だけど乙骨憂太は君になれないよ」
『呪術廻戦』11巻 第90話「渋谷事変⑧」
五条が期待している一方で、羂索自身はほぼノーマークである。
そしてもう一点、死滅回游編についてである。
羂索はこのように語っている。
「覚醒タイプの泳者にはあまり興味ないんだよね。
所詮は人数合わせっていうか……。
日車寛見くらいか……。彼以外には特に潜在能力を感じていないし」
『呪術廻戦』 第239話「バカサバイバー‼」
このように羂索は術師に対して明確な評価基準があるように思える。
これは羂索への刺客として高羽が送り込まれた際に放たれた言葉であるが、死滅回游の泳者で日車以外には興味を示していないということを明言している。
しかしながらこの「バカサバイバー‼」編で羂索は退場するわけだが、羂索が敗北した相手は乙骨憂太と高羽なのである。
羂索がマークしていない、見下していた相手に敗北するという有様なのだ。
このように『呪術廻戦』には勝負を分かつルールがある。
こういったポイントに着目したうえで最終決戦を読み進めても面白いと思う。
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