天上天下唯我独尊
ここで一度宿儺の性格について振り返ってみよう。
基本的には宿儺はかなりの傲慢さと狡猾さを持ち合わせ、打算的だ。
それは天上天下唯我独尊という言葉に現れるように、自分が一番でありそれ以外を下に見下している。
つまり自分と同等の立場はいないと考えているともいえる。
事実として、文字通り”呪いの王”たる強大な力を持ち合わせているのだから自己評価は間違っていない。
ただ何よりも注目すべき点はその自信と傲慢さだ。
虎杖という器がありつつも受肉に成功した宿儺であるが、肉体の主導権は得ることができずにいた。
だからこそ呪霊たちは宿儺復活に向けて様々な策を講じてきた。
しかし、宿儺は呪霊側に協力する姿勢は見えない。
虎杖&七海vs真人では、虎杖の無力さと惨めさを嘲笑していた。
一度は許すものの真人の領域が自分に触れようものなら容赦なく攻撃を喰らわせた。
また渋谷事変では漏瑚が宿儺に指を食わせることで、一時的な肉体の所有権を渡すことに成功する。
そこで虎杖との間に縛りを設けるように提案するも、宿儺はそれを拒否。
それどころか復活するや否や、図が高いと攻撃を仕掛ける始末。
まさに「己の快・不快のみが指針」。
呪霊が協力してくれるかどうかにかかわらず、自分の心地よさこそが価値基準になっている。
だからこそ、特級呪霊ですらも自分の駒程度にしか考えていないのだろう。
伏黒に対しても”好奇の目”を向けてはいたものの、自分の肉体にすべくという意味合いであり、仲間どうこうの感情ではなかった。
側近の裏梅ですら対等というよりは従者という立場に過ぎず、宿儺が主という立場は崩さなかった。
つまり宿儺は命令できるような強い立場の人間であることを自負しており、それに則った行動をしていた。
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