不自由さとオリジナリティの欠如
ここまで見てきた作品と比べると『ワールドトリガー』は不自由でオリジナリティに欠ける、という特徴がある。
それはつまりボーダーの隊員の多くがオンリーワンの武器を持つことがないからだ。
バトル漫画の世界観において、特にメインクラスの人物とまで行くとオリジナルの武器や能力を持つことがほとんどだ。
時折、ミラーやコピーという形で武器や能力を模倣・強奪されるなんてケースもある。
ただ基本的に「ゴムゴムの実」や「スタープラチナ」、「OFA」、「天鎖斬月」などは固有の武器・能力である。
しかし、『ワールドトリガー』の世界の一般隊員はボーダーより支給される汎用トリガーを使用する。
攻撃手・銃手・狙撃手でそれぞれトリガーにも種類がある。またオプションとして特殊なものも存在する。
しかし自分専用のオリジナルのトリガーを持つ隊員はほとんど存在しない。
それはボーダー最強部隊であるA級でも変わることがないのだ。
それはすなわちバトル漫画の魅力である「必殺技」がなくなるともいえる。
「必殺技」は作品を代表することもあり、バトル漫画には欠かすことができない。
『ドラゴンボール』における「かめはめ波」はその最たる例だろう。
少年少女は必殺技をマネするし、技の応酬が見どころといっても過言ではない。
ただ『ワールドトリガー』においては同じ武器が支給されるため、固有の技には欠けてしまう。
「生駒旋空」が必殺技として昇華されてはいるもの、固有の名前がついた技というのは非常に限定的である。
それにも関わらず面白いのだ。
ではなぜ面白さに繋がるのかという部分を掘り下げていこうと思う。
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