【第5回ワールドトリガーのここが面白い】「三雲修の成長③~戦闘編~」【考察】

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出水との比較

 バンダー、モールモッドとの勝利を収めたオサム。

 ただこの2体は攻撃手法が分かりやすい敵である。

 あくまで生物兵器であり、プログラミンに従った攻撃パターンを仕掛けるという特徴がある。

 つまり経験や技術を一定以上身に付けることで倒すことが可能な敵であるということだ。

 肝となるのは対人戦や人の動きに近しいラービットとの戦闘だ。

 ここでは経験・技術の差が顕著に出ていたとはっきり言っていい。

 実をいうと大規模侵攻編でオサムの戦闘シーンというものは少ない。

 人型近界民と戦うのはA級部隊がメインであり、標的であるチカを守らなくてはならないという意味でもオサムは戦闘を避けてきていた。

 ただ終盤戦にて、ついに敵のリーダー・ハイレインに追いつかれてしまう。

 ここではA級1位射手である出水との経験・技術差が現れていた。


 隊員が続々落とされていく中、出水は苦戦を強いられていた。

 そんな出水をフォローしようとオサムはハイレインの死角から通常弾を放つ。

 しかしあっさりと防御され、むしろカウンターを浴びてしまう始末。

 この”タイマンでの戦闘中に死角から攻撃を仕掛ける”という手法は、少し前のラービット相手には成功していた。

 しかし、この作戦が成功していたのは生物兵器のため視野が狭かったという点、そしてそれまでのオサムの通常弾は防御するに値しないため警戒外にあったという2点が考えられる。

 だからこそ「たまたま」上手くいっただけに過ぎず、対人戦、特にA級と対等以上にやりあえる実力者であるハイレイン相手に取る戦法としては安直であった。

 弾をうまく散らす、置き弾を利用した時間差攻撃などなど工夫できた点があるはずだ。

 何より「通常弾での攻撃」という一手だけしか考えておらず、その先の一手や勝利のイメージが欠如していたといえる。

 そして「卵の冠」にてチカをキューブ化させるカウンターを仕掛ける。

 風間戦でみせた散弾で対処をしようとするも不発、あえなくチカはキューブ化されてしまう。

 この「卵の冠」のいなし方でも出水との差あらわれていた。

 出水は追尾弾を使用することで「卵の冠」の”鳥”は撃ち落とすことに成功している。

 (”虫”という奥の手を持っていたハイレインが一枚上手ではあったが)

 もちろんオサムとの使用トリガーの差はあることは間違いない。

 ただオサムが出水くらいの経験や技術があればもう少し対処できていたことは間違いないだろう。 

 なにより為す術なく一撃でチカがキューブ化されてしまったオサムに対し、出水は真っ向から戦いながらもかなり粘ることに成功している。

 撃ち落とす・ガードなどなど攻撃を喰らわないという意味合いでも、「仲間の支援が来るまで落とされない戦い方」を熟知しているのだろう。

 大規模侵攻編では迅や村上が強敵を引き留めることに徹したように、強い相手は無理に勝たずとも引き留めるだけで戦局を大きく左右させる

 そういった意味合いにおいても出水とオサムの技術・経験の差がみられた局面であった。

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