標的オサム
さてラウンド6だが、王子隊は標的をオサムに定める。
玉狛の戦術にはオサムがワイヤー陣を敷き詰め、その間に空閑が少しでもポイントを獲る。そしてチカが狙撃位置を陣取るという流れが確立していた。
だからこそ王子は、オサムがワイヤーを完成させる前に落とそうと画策する。
合流よりも攻撃を優先するというのは、このスピード感をもってワイヤーを崩すためであった。
また攻撃優先にできるというのはオサム相手にタイマンででも勝てる自信があるからこそできた作戦だ。
転送されたと同時にオサムを探し出す王子隊。
ワイヤーを張り出しやすい位置を予めマークしておいたと当間が語っていたことからも、オサムへのマークは下準備から徹底的だったといえる。
また王子は空閑が用いた釣りの戦法を見抜くなど、洞察力にも優れた側面も見せる。
以上のことから、王子隊はこれまでのラウンドではあまりいなかった戦術を重視する部隊である。
そういう意味では王子はオサムと近しい性格の持ち主だ。
だからこそオサムの行動心理を俯瞰で考えていたため、見事なまでに次の動きが読まれてしまっていた。
オサムとしてはやりにくい相手であったことは間違いない。
オサムの処理能力
オサムの処理能力が向上しているという点にも着目したい。
今回でいえば、バックワームの対策がしっかりなされている。
ラウンド4では犬飼との戦闘や、東隊の小荒井・奥寺、二宮隊の辻が乱入したことで情報処理が適切にされていなかった。
そのためバックワームを纏った東を意識できず、狙撃にて急襲されてしまっていた。
ラウンド6ではオサムがワイヤー陣を仕掛けようとするが、王子隊はオサムを探し回っていた。
王子隊・樫尾がまずオサムのワイヤーを発見するとすぐさまバックワームを起動。
生駒隊・南沢もそれに便乗する形でバックワームを起動し、オサムがいるであろう箇所に向かっていた。
王子隊の王子・蔵内の二人も後を追いかける。
前回と異なる点は、自分のことだけではなく盤面がよく見えているということだ。
マップ上の転送位置や関係性を把握するなど、目の前のことだけではなくどう立ち回るかを考えている。
また自分がマークされていることも理解しているなど、冷静かつ俯瞰で見れている部分も大きい。
その結果、通常弾で自分の位置を知らせることにより王子隊・樫尾と生駒隊・南沢を対峙させることに成功する。
ラウンド4では自分だけで点を獲ろうとした失敗を生かし、戦闘よりも合流を優先させつつ、敵同士を削らせるというファインプレー。
また不完全なワイヤー陣で迎え撃とうとするのではなく、一度体制を整えようとする判断力も評価したいポイントである。
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