【第8回ワールドトリガーのここが面白い】「三雲修の成長⑥~戦闘編~」【考察】

マンガ

オサムの戦闘

 中盤戦では狙撃場所が割れたチカが王子隊・樫尾に追われてしまう。

 チカの機転により一度樫尾を退けると、そこにオサムも合流。

 チカの追撃弾+鉛弾という強力な武器を生かし二人のコンビネーションで撃退するに至る。

 空閑がいないながらも戦う術があるということの表れでもある。

 問題となるのは、その対決の直後に王子隊・王子がやってきたということだ。

 チカの追撃弾+鉛弾は非常に強力だが、トリガーを2つ消費しなくてはならない。

 そのため王子隊は常にシールドを出させることで、トリガー2つ消費してしまう追撃弾+鉛弾を未然に防ぐという作戦をとっていた。

 つまり王子は常にチカへの攻撃をしながら、オサムと闘わなくてはならない。

 オサムはこれを好機だと判断する。

 王子がトリガーを一つしか使えない、さらには片腕しか使えないという状況の中であれば対処できると考えていた。

 しかし、オサムに対して慢心ではないかと問いかける。

「片手間のぼくとなら勝負できると思ったかい?」

「……‼」

「侮るつもりはないけど、きみはそこまで強くない」

『ワールドトリガー』18巻 第155話「王子隊」

  そう話しかけられると即座に右腕を落とされてしまう。

  すぐさま反撃も躱され、塞がれる。粘り勝つことはできず、王子によって離脱を余儀なくされる。


 前回ラウンド5では香取隊・若村相手に自力だけで倒すことに成功していた。

 しかし、それは単純な戦闘能力だけによるものではない

 ワイヤー陣によって精神的なプレッシャーをかけつづけ、若村がワイヤーで倒れこみ、空閑が奇襲をかけれるタイミングだったからこそできた結果だった。

 単純な剣捌きの1対1でいえば、安定した結果を残すことができないというのが実情である

 ただB級上位を維持するということを考えるのであれば、勝たなくてはいけない状況であった。

 チカが直接弾を当てられないという制約があったとはいえ、王子からしたら追撃弾+鉛弾という脅威に対処しなくてはいけないという時点で立ち回りがかなり難しいところではあった。

 そうした状況でなお、五体満足のB級隊員にトリガー1つと片手で戦わなくてはならない。

 王子目線で考えればかなりきつい状況であるのは間違いない。

 そうした大きなハンデを背負っている王子相手に敗北してしまうのはオサムの実力不足というほかない。

 相手を倒す勝ちパターンをつかんできた点はかなり評価できるが、オサム個人として圧倒的に強くなったわけではないというのが非常な現実だ。

 とは言っても戦闘能力の向上はところどころで見えてはいるので、これがB級上位の壁であるともいえる。

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