今回取り上げるものは伏黒恵が保有する術式「十種影法術」についてである。
過去には御前試合として五条悟と同様の六眼持ち・無下限呪術使いと相打ちするなど格の強さが伺えるが、実際のところの評価は気になるところだろう。
本記事では作中での戦闘を振り返りつつ、十種影法術という可能性について深堀りしていこうと思う。
十種影法術とは
作中では伏黒恵が保有する禪院家相伝の術式。
予め調伏した式神を、影を媒介にして償還することができる。
文字通り最大10種の式神を扱えるようになるが、初めに与えられる玉犬白・黒という2種の式神を用いて「調伏の儀」を行う必要がある。
また一度式神が破壊されてしまうと二度と召喚できなくなるが、その術式・力はほかの式神に引き継がれる。
十種影法術は強いのか
本記事の議題であるが、十種影法術は本当に強いのか、という点である。
いくつかの要素に分解して検証していこうと思う。
① 汎用性の高さ
初めに取り上げたい箇所は汎用性の高さである。
場面場面で必要な術式を展開することができ、状況の変化への対応力に優れている。
例えば”京都姉妹校交流会”編の加茂憲紀との戦闘では満象を用いて戦闘場所を室内から室外へ転換し、鵺を召喚できる広さへ移動を行った。
また”渋谷事変”においては「あべこべ」術式を使用する呪詛師に対して脱兎で包囲網をつくり視界をふさぐ、また暴走した伏黒甚爾との戦闘では脱兎と「十種影法術」を組み合わせて落とし穴を作っている。
このように式神として最大10種あることで場面に応じた能力の式神を呼ぶことができる。
これは吉野順平の「澱月」や猪野琢磨の「来訪瑞獣」よりは使い勝手がよさそうである。
② 発動条件の簡単さ
2つ目に発動条件の簡単さである。
術式の中には発動に条件を要するものもある。
重面春田の術式は日常で「奇跡」を貯め・消費する必要があったり、七海建人の「十劃呪法」は対象を7:3に宣撫しなくてはならない。
釘崎野薔薇の「芻霊呪法」は”共鳴り””簪”と相手に干渉する必要がある。
一方で「十種影法術」は調伏する必要こそあるが、呪力さえあれば召喚に際しての条件もとりわけ難しいわけではない。
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