【感想・レビュー】『2.43清陰高校男子バレー部』第7話【練習試合とその後】

アニメ

対福蜂

 いよいよ春高予選を5日後に控えた清陰高校。

 しかしチカは福蜂高校との練習試合の結果から、身長が低い小田が狙われていることを指摘。そこで福蜂戦では小田を外し、内村をスタメンにすることを提案します。

 「(小田が狙われることに対し)それをなんとかするのが、お前の仕事やないんか」と反論する青木に対して、攻撃は工夫できるがブロックの物理的な低さはどうしようもないと話すチカ。

 また「今言わなくても」と舘野が指摘すると、予選でも試したい、と様々な意見が飛び交います。

 清陰高校の命運を分けるような大事なシーンとなっていますが、問題は感情移入ができないという点です。

 その理由が2つあって、①現状の戦力がよくわからない②福蜂戦をどう評価しているのかわからないという点です。

 まず現状の戦力についてですよね。小田が実際にどのような役割であったのか、そして内村がどれだけの実力があるのかがわかりません。例えば、小田はユニの次にスパイクを決めるキーマン、ピンチの時に声をかけてくれるムードメーカーである、内村はレシーブがうまい、ブロックが優れているとか、そういった表現・シーンがないんです。そのため二人を交換することによってどれほどの影響を及ぼすのかのイメージが掴めないのです。小田を外すとなっても、主将が外れるから戦力落ちるのかな……?ぐらいでいまいちピンときません。

 そして福蜂との練習試合における内容と、そして選手の評価・感想が排除されている点です。。

練習試合はダイジェストのように、実際に試合を見ているかのように進みました。そのため、選手たちの戦略が見えません。チカは「福蜂は身長の低い小田を狙ってきた」と話していました。ただそれがどのぐらいだったのかが描写としてないわけですから、その度合いがわからないのです。

 また試合内容・結果に対する評価や感想についても明らかにされていません。正直な話、視聴者側からは「よく張り合えた」と捉えるべきか「福蜂・スバルにはまだ敵わない」と捉えるべきなのかがわからないのです。練習試合の評価と、春高予選で勝つためにはどうすればいいのかについて個々の意見を出しれくれないと、視聴者は試合の評価ができません。

  以上のことから、視聴者は清陰高校のメンバーに感情移入ができないません。そんなところでチカや小田が揉められても非常に困るのですよ。「確かに試合内容的に小田が狙われていたからチカの意見に共感できる」とか「小田はムードメーカとして欠かせないし、スパイクたくさん決める攻撃のかなめだし外すのは」というよう判断ができないのですから、揉め事を傍観することしかできません。

 共感してこそ、納得してこそマンガやアニメは活きてきます。それができず、ただ見ることしかできないのですから、正直つまらないのです。

【まとめ】

 全体的に感情の掘り下げをして欲しいですね。これでは、視聴している側は感情移入できないですし、どのように作品を見ていけばいいのかわかりません。特に青春を描いていますから、もっと深い部分を見たかったですね。

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