懐玉・玉折編では五条と夏油の決別が描かれている。
その過程では夏油が大人という障壁にぶつかる姿が描かれている。
本記事ではその大人への対峙という部分に着目していこうと思う。
前回の記事は↓からどうぞ。
”学生”である夏油と五条
懐玉・玉折編では五条と夏油が大人になる過程がリアルで忠実に再現されている。
懐玉・玉折編をストーリーに沿って追ってみていこう。
夜蛾より星漿体である天内理子の護衛・抹消を依頼される。
早速向かうも天内は奇襲を受け、ビルから落ちてきてしまう。
このシーンでは呪詛師を圧倒する五条・夏油が描かれている。
天内が襲撃されていることに関しては出遅れた感は正直感じられないが、一方で2人の間には緊張感があまり見られない。
結果としてビルから落ちてる天内を助けることにも成功している。
ただ強者ゆえの余裕と捉えることもできるが、学生ならではの慢心と受け取ることもできる。
この段階では五条も夏油もまだ学生の領域を出ていないのだ。
さて話は少し進み、天内を学校内で見張ることとなる。
その際、天内を連れた五条が襲われる。黒井と夏油はそのことに動揺し、黒井は夏油だけでも先に向かわせるように仕向ける。
しかし、その結果黒井が誘拐されるという事件が発生する。
五条はここで「ミスってほどのミスでもねーだろ」と述べている。
確かにそうかもしれない。
人質であれば交渉の材料でしかないため、黒井を即刻殺すなんてことはありえない。
そうであれば五条と夏油の輝かしい才能を奮えば、黒井奪還なんてお手のものだろう。
この場面では天内を必要以上に刺激しないという意味や冷静さを失わないという意味で二人はあえて落ち着いていたという可能性もある。
しかしこれまでの人生経験上、”どうにかなる”という状況が続いていたと捉えることもできる。
その可逆的な人生という部分においては学生時代であることを象徴しているようにもみえる。
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