【感想・レビュー】『不滅のあなたへ』第2話【大人になるためには】

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【あらすじ】

 少年が死に、少年の姿となった”それ”は南に向かって歩き続ける。

 栄養補給や霜を落とすという人間らしいことをしない”それ”は道中何度も死ぬこととなるが、そのたび生き返った。そして6回の死と再生を迎えるころようやく緑で溢れる大地に足を踏み入れた。

 一方、とある村では少女のマーチがおままごとをしてなどをして平和に暮らしていた。そんなマーチは早く大人になってママになることを夢見ていた。ある日、不思議な音が聞こえるとヤノメ人のハヤセ達が村にやってくる。オニグマ様への生贄が、マーチの住むニナンナ村から選出されることになったのだ。そんな中、生贄にはマーチが選ばれてしまうが、理不尽さに納得ができず怒ってしまう。それでも両親の言葉によりマーチはおとなしくする。加え、マーチが逃げた場合、友人のラーラ、ラーラも逃げると兄弟のリサを連れていくといわれ、受け入れるしかなくなった。

 ついに生贄を捧げる山に向かうことになったマーチたち。そのとき、ハヤセに向かい矢が放たれる。動揺している隙に逃げ出すマーチ。命からがら逃げだした先には、再生中の”それ”が待っていた。

 不安からか”それ”についていくマーチ。しかし”それ”が話したり反応することはなかった。しかし、オオカミのように地面に這いつくばりながらではあるが、”それ”が果物を食べる様子を見て同じ人間らしさを感じる。翌日になると”それ”はマーチの後をつけだす。そんな姿を見てマーチは母性がくのであった。

【レビュー】 

 まずは前回のレビューを見ていなければ、そちらから。

 さて、この第二話ですがいまだ展開が読めない状況が続いていますね。それでも面白いなと思う部分がいくつかあったので紹介したいと思います。

 1.1 第1話のその後

 出だし部分から振り返っていきましょう。まず”それ”は第1話の続きから南に進み、何とか緑の大地に足を踏み入れます。ただここでは2つのことが描かれました。。

 一つは、それ”の力がだんだんと明らかになったことです。それ”は情報を収集し、刺激を得ることで複製ができる。そのため、あくまで形どっているだけということになります。そういうこともあり、”それ”があの過酷な雪道を歩き、死んでしまったとしても再生が可能だということです。

 とはいえ、何者なのかという部分は気になりますね。

 も一つは少年が住んでいた村から緑の大地までは果てしなく遠かったこと、そして少年が信じていた「南に進めば楽園がある」ということは間違いではなかったということです。あの氷の大地を抜けるまで”それ”は6回も死ぬことになりました。”それ”が人の域を超えていたとしても平然と緑の大地にまで辿り着いてしまえば、「少年の命はなんだったのか」となりかねないわけですから、あの雪原を抜ける過酷さが描かれていてよかったなと思いました。

 また、南に進むことで緑を見つけられました。そう、方角は南で間違いなかったのですあの少年と村の人の努力は間違いではなかったということが証明されたわけですから、少しでも報われてよかったなと思います。

 また途中で”それ”は獰猛な動物に殺されるわけですが、トリコに出てきそうな少し変わった外見をしていました。予めファンタジー路線を示唆するような演出もされていてよかったですね。

1.2 大人になること

 場所は移り、少女マーチを中心とした話になります。イメージ的には縄文~弥生時代の日本といったところでしょうか。余談ですがマーチ(=March)は3月を意味します。3月は旧暦で弥生、というところから弥生時代でも示唆してるのかななんて思ったりもしました。

 そこでマーチはオニグマ様の生贄に選出されてしまうわけですね。

 しかし、大人になることを強く望んでいたマーチは嫌だと駄々をこねます。それを見た父は「大人しくしなさい」、と声をかけます。

 ここで、少し前の場面で父が話した「大人しくしないと大人になれないんだぞ」というセリフが生きてくるわけです。これは深いセリフだなと感心してしまいました。

 大人になるということについて、おそらくマーチは概念としての「大人」に憧れていたのでしょう。身体的に大きくなること、また周囲から認められる・子供らしい扱いを受けないという意味かと思います。しかし、大人になるということはそういうことだけでもありません。その一つが、物事を素直に受け入れるということだと思います。下げたくない頭を下げ、やりたくないことをやり、言われたことを受け入れなければならない。こういう経験があるという人も少なくはないでしょう。こうして「大人しく」受け入れることこそが「大人」であるという非常な現実を突きつけるセリフのような気がします。つまり、これは暗に「生贄を大人しく受け入れることこそが大人になることにつながる」ということを意味しているかと思います。なかなか残酷ではありますが、父としては村に逆らうことができないのでしょう。何より一番悔しいのは両親であるはずです。そんな悲痛をじわじわ感じるシーンでしたね。

1.3 パロナの優しさ

 このキャラもいい味を出していますね。カッコよかったです。

 パロナマーチから「姉ねぇ」として慕われている人物です。それゆえパロナマーチのことを妹のように大切に思っていることでしょう。

 そのため生贄を選出しに来たヤノメ人が来たとわかると、すぐさま生贄候補(おそらく顔に墨がある人物)のマーチを外に連れ出そうとしていました。また弓の技術もありませんが、マーチを生贄にさせまいと弓をもって駆けつけます。もちろん村の人にバレてはいけないため一人でです。

 家族でもないのに助けようとする心意気に感動しましたし、力がないなくても救いたいという思いが伝わる良いシーンだったと思います。

 1.4 そしてようやくであったマーチと”それ”

 次がマーチと”それ”の出会いですね。”それ”の知性を感じないような行動に戸惑いながらも、マーチは持ち前の明るさと人当たりの良さ、そして森で一人という不安な状況もあり、”それ”と行動を共にします。しかしながら、果物を地面に置きオオカミのようにかぶりつく、言葉が話せない”それ”をみて困惑が続きます。それでも自分についてこようとする姿をみてマーチは母性を感じるわけです。

 おままごとでお母さん役を一人でこなしていたり、自分の兄弟におっぱいを飲ませようとしたりなど「母」「大人」という存在に憧れていたマーチにとっては良い疑似体験に違いありません。これからマーチはどのように接していくのか、また”それ”はマーチにどのような感情を抱いていくのかが見ものですかね。

【まとめ】

 まだまだこれからではありますが、考えなしのストーリーというわけではないのでこれからが楽しみですすね。まずは”それ”がマーチという少女と出会うことでどう変化していくかという部分に注目したいと思います

 

コメント

  1. […] 【感想・レビュー】『不滅のあなたへ』第2話【大人になるためには大人し… […]

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