【呪術廻戦考察】『宿儺の術式は2つあるという考察』【本誌ネタバレあり】

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術式2つ持ちという可能性

 さてここで生まれる疑念が「宿儺は術式を2つ持っているのか」ということである。

 この疑念が生まれたわけは大きく2つある。

 1つめは「解」「捌」と炎の術式が同じ術式カテゴリーとして捉えることが難しいからである。

 そもそも術式というのは「生得術式」のことであり、個々人の体に刻まれているものだ。

 術師はその術式の解釈を広げることで、強化を遂げて術のレパートリーを増やしている。

 例えば伏黒は影を媒介にすることで式神を自由に出し入れできると初めは解釈していたが、影にモノを取り込むことができるという広い意味で解釈をしたことにより武器を格納することに成功している。

 しかし、斬撃を使用する「解」「捌」と炎の術式はジャンルとしてはかなり遠い位置にあるように思える。

 「解」「捌」という斬撃と、炎の術式というものが共通した術式の解釈で収まるとは少し考えにくいのだ。

 これは次の記事で詳細を話すが、宿儺がもつ術式の考察として「料理」というキーワードが飛び交う。

 作中でも「解」「捌」を例えるために包丁が登場しており、宿儺自身も「味見」「まずはその鱗から剥いでやる」など食に関するワードが度々登場している。

 料理関連とするならば炎が登場しても違和感はないだろう。

 しかし、術式が”料理”というのはいささか抽象的であり、概念としての意味合いが強すぎるように思える。

 構築術式であれば物を生成できる、降霊術であれば肉体や魂を降ろすなどこれまで登場した術式はかなり具体的でイメージしやすい。

 一方で術式が”料理”となればかなり広い意味での解釈が可能であり、術式っぽさに欠けるように思えてしまう。

 言わば何でもありな状況になりかねないため、料理が術式であるということには疑念を抱いてもいる。

 斬撃と炎を繋ぐイメージができないため、同じ術式ではなく別々の術式と考えてもおかしくはない。

 


 そして2つ目には魔虚羅戦での出来事がある。

 渋谷事変にて発生した魔虚羅との戦闘では領域展開を使用し瀕死にまで追い込む。

 そしてトドメとして炎を術式を使うことで勝利に至る。

 しかし、ここで振り返っていただきたい『呪術廻戦』におけるルールがある。

 それは領域展開直後は術式が焼き切れてしまっているため、一定時間は術式が使用できなくなるということだ。

 この基本原則についてはどの術師にも適用される。

 あの最強の術師である五条悟ですら、この術式が焼き切れるという事態を防げてはいない。

 乙骨曰く、領域展開直後はオーバーヒート状態に近いため反転術式での”治療”の対象外であるというのだ。

 しかし、現在執り行われている宿儺との決戦では五条はかなりの荒治療をみせている。

 反転術式でそのまま治すことができないため、脳ごと破壊し治療することでオーバーヒートを解消させるという超人技をやってのけている。

 この五条の強行を模倣してか、宿儺も同様の手法で連続した領域展開を行っている。

 誰も成しえない死後呪物のなり方を、たった一回経験するだけで習得するという神業をやってのけた宿儺でさえ、この領域展開後のオーバーヒートには抗えないことがわかる。

 それにもかかわらず魔虚羅戦では、領域展開を終えた後に炎の術式を使用しているのだ。

 この魔虚羅戦で領域展開後、どのくらいの時間が経過して炎の術式を使用したのかがわからない。

 またそもそも領域展開後、どれほどの時間が経過すれば術式が使用できるのかも不明だ。

 それでも宿儺が炎の術式を使用したのは、魔虚羅が反転術式にて回復を試みている最中のことだ。

 魔虚羅は呪霊に近い存在であるから、少年院で出会った特級同様に反転術式での回復もそう難しくはないはずである。

 つまり宿儺の領域展開を浴びてからさほど時間は経過していないと推測できる。

 それにも関わらず宿儺はどのようにしてすぐさま術式を使用できたのであろうか。 

 ということから宿儺が2つの術式を持つ可能性が考えられる。

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