タイマンでは効力が弱い
次にタイマンであれば効力が薄いという点だ。
まず術式の発動条件として両の手を合わせなくてはいけない。
つまり術式発動時には手が塞がるわけで、一瞬かもしれないが攻撃も防御も捨てなくてはならないタイミングが生まれる。
なおかつ不義遊戯という術式を保持している以上は、もちろんだがほかの術式はない。
そのため必然的に近接での戦闘が求められるわけだ。
そうなればいよいよ術式を使用できるタイミングはシビアであることは間違いなく、両手を使えないということのデメリットは大きいように思える。
次に入れ替わりのパターンがかなり絞られてしまう。
場所が変わるだけであればそこまで大きなメリットはない。
手を叩いて入れ替わるかどうかであれば、ある程度は予測できてしまう。
あるいは範囲攻撃をしてしまえば入れ替わりも関係ないわけで、効果が薄くなってしまう。
また両手をふさいでいるため、隙が生まれやすい状態ではある、。
となると読まれてしまった時のリスクも相当大きい。
このことからタイマンでは術式を有効活用しにくいという現状だ。
複数人いたらどうだろうか
“不義遊戯”は複数人いて初めて真価を発揮すると思っていたらそれも間違いである。
まず敵が1に対して、味方が複数いる場合を想定しよう。
ここで求められることは連携がとれる相手であるかどうかである。
”不義遊戯”は敵を混乱させる一方で、味方を困惑させる危険性がある。
一歩間違えれば最大出力の技を味方へ浴びせてしまう可能性だってある。
つまり、味方が東堂の意図を組んだ行動をとらなくてはいけず、連携力・対応力・瞬発力が必要になる。
さて、先ほど述べたように”不義遊戯”で上に昇り詰めるには身体能力と呪力操作がずば抜けていないといけないと話した。
その一人が東堂葵であるが、果たして東堂葵というフィジカルの化け物と並んで戦闘ができる人物は一体何人いるのだろうか。
確かに花御戦・真人戦では虎杖とバディを組んで活躍をみせたが、それは虎杖悠仁という宿儺の器として用意されたポテンシャルありきである。
『呪術廻戦 公式ファンブック』では高専生のスキルグラフが掲載されている。
10段階評価でなされているが、運動神経が9、呪術センスが10という破格のステータスを得ている。
運動神経でいえば10クラスに虎杖悠仁と禪院真希がいるが、宿儺の器として生み出された身体能力の虎杖とフィジカルギフテッドを持つ真希とほとんど同格という時点でずば抜け過ぎている。
乙骨や伏黒の評価が8であることを考えると、東堂葵の運動神経は呪術師の中でもトップクラス。
”不義遊戯”をフルに活用するとなれば東堂が全力を出し切って肉弾戦ができ、不足の位置交換をうまい具合に読み、考え、対処するだけの戦闘IQと余裕があるパートナーが必要なのだ。
そうでなければ味方へ攻撃をあたえてしまうことになりかねないし、自滅の危険性が高すぎる。
京都姉妹校交流会編にて加茂憲紀が東堂の術式を知らなかったことについて、普段術式を使わないとはいえ無理があったと芥見先生は述べている。
ただそうといっても東堂自身が術式を使わずとも強い&使える・連携が取れるほど運動能力が高い人物が京都にはいないため、術式を使う機会そのものがゼロに等しかったと考えられる。
つまり、味方がいたとしても”不義遊戯”を全力で使う状況は限りなく狭いといえる。
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