第2話・レビュー
第2話では南極観測隊への交渉が失敗に終わったものの、それでも諦めない女子高校生を雰囲気と音楽で何とか描こうとしていました。
しかし、ちゃんと振り返ると第2話は評価できない内容であり、第2話にして「シラセへの失望」があまりにも大きくなってしまった回でありました。
これまでの考察を踏まえて
第1話ことも踏まえつつ、第2話の展開を振り返りましょう。
まずシラセが南極を目指していたということがかなり本気であったということです。
中学時代からずっと南極に行きたいと述べていたこと、また遊びも趣味も捨て高校生ながら100万円という大金を貯金することができたということからも、南極に行くことを軽い気持ちで話しているのではないことがみてとれます。
またわざわざ東京から船の下見のためだけに広島に向かうのです。往復にして4万円近くというのは高校生にしてはかなりの大金であり、船の下見のためだけということを考えるとかなりの熱量がないとできることではないかと思います。
それはキマリとヒナタへの接し方を見てもそうです。第2話でキマリが待ち合わせに遅れた際、「時間は厳守、南極行くならなおさらよ。数分の遅れが生死にかかわるんだから」と、述べています。友人相手にかなり厳しく接していますが、これも南極愛だからできたことでしょう。
またヒナタが一緒に南極に行きたいと述べた際には「命の危険だってあるし、旅費だってちゃんと払ってもらうし、出発12月だから学校休むことになる」と述べています。ここで「南極はそう軽い気持ちで行けるものではないぞ」という一線を引いており、やはり彼女の真剣具合が伺えます。
つまりここまでを踏まえ、シラセは「青春を全て捧げてもいいくらいには南極に行きたい」のであると考えられます。
そしてキマリは、そんなシラセに感化されて青春のあるべき姿をようやく見つけかけている状態です。
キマリはこれまでの人生において何事も挑戦できていませんでした。
しかし南極に行くということを契機に、部屋を綺麗に片づけ、早起きをし、自ら行動をできるようになったのですから、これはシラセが人の心を動かしたほかありません。
キマリにとって、南極が初めての「青春」になりえたわけです。
だからこそ目標をもったからこそバイトを探し、授業中にもかかわらず南極に関する記事を読みふけってしまうほど、彼女の関心は南極に向いていました。
さて、このようにシラセは「青春を全て捧げてもいいくらいには南極に行きたい」と願うほどの熱量を持ち、「キマリを青春としての一歩を踏み出させた」人物なわけです。
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