日下部篤也の実力
”不義遊戯”という術式についてだが、術式単体で見た場合には大した強さはない。
他の大勢の術者は術式を攻撃や防御に転嫁している分、火力や防御策が出遅れてしまうためである。
ただ東堂葵という呪術高専きっての身体能力と呪術センス、そして戦闘IQの高さをもつ東堂が使用してしまえばある程度の効力は見いだせるだろう。
事実として京都での百鬼夜行では1級呪霊までは術式なしで倒していたもかかわらず、”不義遊戯”を使用することで特級呪霊を祓うに至っている。
東堂葵が1級にまで上り詰めた評価要素としては”不義遊戯”という術式による加点もあることだろう。
さて、ここでようやく本題に入りたいと思う。
日下部篤也の呪術師としての力についてである。
まず初めに注目したい部分は東堂葵と同様に、日下部篤也は術式を持たない術師であるということである。
先述した東堂葵ですら、術式自体は弱いとはいえ持っていた。
術師の才能という観点においては、五条のセリフで例えると呪術師としては8割欠けた状態からスタートしているといえる。
それは東堂も同様であるが、東堂の場合にはそれをカバーできるだけの身体能力と呪術センス、そして戦闘IQの高さを持っている。
公式ファンブックでは高専生徒のスキルグラフが、呪術センス・座学・運動神経の3項目で数値化されている。
運動神経については宿儺の器として描かれた虎杖と、フィジカルギフテッド持ちの禪院真希が10段階評価中10であるが、東堂はそれに続いて9という評価。
呪術センス・座学に関しても最大評価の10と、高専生随一のスペックを持つ。
この呪術センス・座学・身体能力の3評価であれば宿儺に見初められた伏黒や、特級術師である乙骨をも凌ぐハイスペックなのである。
否、術式が強力ではない以上はこのぐらいのスペックでないと1級術師にはなれないということである。
ただ単純にみれば東堂の術式が強力ではないとはいいながらも、術式をそもそも持ちえない日下部は東堂以上の潜在能力を秘めているということでもある。
現にシン・陰流を使用するなど作中でも活躍はみせているが、おそらくそれだけではないことはほぼ間違いないだろう。
なんせ術式が最も大切な世界で術式抜き、身体能力と呪力操作のみで1級までたどり着いている。
五条が持つ六眼での最高率呪力使用や乙骨の呪力総量、宿儺のシンプルな呪力操作に並んで作中のトップクラスである可能性を秘めているのだ。
現時点ではあまり語られておらず、特級クラスの化け物たちが登場したことで影を潜めているが、今後が非常に楽しみな人物である。
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