③ 術式が焼き切れるリスク
領域展開には使用後の一定時間、術式が焼き切れ使用できなくなるというリスクが存在する。
もしも領域を使用して止めに至らなかった場合には。かなりの不利が訪れる。
それが本当に一時的なものだとしても、特級クラスの戦いではその一瞬が命取りになる。
死滅回遊編での仙台結界の最終局面。
乙骨・烏鷺・石流が同時に領域を展開するシーンでは三者間の領域展開に加え黒沐死の乱入もあり、領域が相殺されるという事態が発生する。
その中で相性不利であった烏鷺が集中砲火を喰らうが術式が使えないという困難も要因となり敗北する。
また薨星宮での九十九・脹相vs羂索においてはこの術式が焼き切れるタイミングを狙ったプランを考えていた。
このように領域展開は使用したら確実に仕留めておかなくてはいけない、仕留められなければ反撃を喰らうというリスクがある。
④ 領域侵入のリスク
おそらく稀な例だが領域に誰かが侵入するというリスクだ。
領域展開は内からの耐性を上げるほど外からの力に弱くなるという特徴がある。
しかし基本的には領域内に侵入するという行為は推奨されるべきことではない。
くどいようだが、領域に侵入した時点で”必中必殺”の攻撃を喰らってしまうからである。
勝算があまりない状況でリスクをわざわざ負う必要はない。
ただ領域に侵入することで不利を打破できるケースもある。
例えば本当に稀なケースだが虎杖のような特異な存在がいると領域展開の”必中”効果のせいで、内に棲む宿儺からカウンターを喰らう。
より現実的な話であると直毘人・真希・七海vs陀艮戦である。
追い込まれた陀艮は領域展開によって形勢逆転、圧倒し始める。
しかしそこに伏黒が現れて領域の押し合いを始める。
ただ伏黒は押し合いで勝とうとするのではなく、領域外へ脱出しようと目論んでいた。
基本的には領域外に逃げることはほぼほぼ難しい。
これまでみてきたように内からの耐性を強くできる、必中効果の付与という条件があるため領域に閉じ込められてしまった段階で逃げ出すことは極めて困難。
また 生得領域という仮想概念を現実に持ち込むため領域の縁がわからない=領域内と現実の狭間がわからないということから逃げ出す術がなくなる。
ただこの陀艮戦に限っては、①伏黒という領域使いがあらわれたこと、②そのことにより必中効果が消えたこと、③3人という人数有利により良いシチュエーションが作れたこと、④外から侵入したことにより領域の縁がわかるという4つの理由より領域からの脱出が可能であった。
このように状況さえそろってしまえば領域からの脱出も可能であるということだ。


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