なぜ領域展開を使用したのか
ではそもそもなぜ領域を使用するに至ったのか。
理由はいくつか考えられるが、一番のメリットは多対一を有利に押し進めるためであると考える。
今回、高専側の大きなアドバンテージは数の力で押し切ることができるという部分だ。
以前高専組の戦略について評価をしてきたが、宿儺への対抗策として呪力切れと複数人で攻撃を絶やさないことが重要であると述べてきた。
現在の高専組はその戦略通りに事を進めている。
呪力の総量もずば抜けており呪力操作や領域を複数回使用できることを考えると、呪力切れを狙うのがベストであり、そのためには複数人でスイッチングしながら戦うというやり方が最適だ。
特にスイッチングに関して言えば、1人が怪我を負っても、別の誰かが戦闘を行っている間に反転術式などで回復し再び戦場に戻ることができる。
虎杖や脹相、猪野も一度戦線を離脱していたが、回復したことで前線へ復帰している。
ただし、領域展開はこうした事態を防ぐためにも有効だ。
複数人との戦闘でも、領域で一括りに攻撃することができる。
このようなスイッチングを防ぐという意味でも全体への攻撃は有効である。
反転術式での回復を防ぎつつ、全員をまとめて蹂躙できるという意味でも領域展開をする意義があったといえる。
閉じない領域のデメリット
しかしながら閉じない領域にもデメリットが存在する。
一つは逃げ場が存在するということである。
閉じない領域は相手に逃げ場を与えることで、効果範囲を広げて最大半径200mまで広げている。
通常は閉じ込めることで確実に倒すことを目的にしているが、逃げ場を与えることが縛りとして機能している。
逆を言えば逃げられる可能性はある、ということを意味する。
(しかし宿儺の攻撃に耐えながら、かつ効果範囲が広いなかで脱出できるかどうかは別問題ではある)
もう一つは出力の設定ができないということだ。
通常の閉じた領域では、領域内の呪力をもつものを感知することによって対象を認識する。
閉じた領域で真希を認識できないのは、真希が完全に呪力をもたないためである。
対象を認識できることにより、例えば”渋谷事変”編での陀艮は領域展開の出力を禪院直毘人・七海建人・禪院真希で変えていた。
しかし閉じない領域は呪力の有無にかかわらず攻撃を絶えず与える。
つまり真希のような完全に呪力を持たないものに対しても有効であるのだ。
一方で、無差別に行うため対象を認識していない、個々人に向けて出力を変えることができないのである。
ここまで領域展開についてみてきたが、次は簡易領域について考えてみようと思う。
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