【呪術廻戦考察】伏黒恵と伏黒津美紀の関係性について【最新話ネタバレあり】

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 今回は伏黒恵と伏黒津美紀の関係性について振り返るとともに、現在の伏黒恵について触れてみようと思う。

禪院家

 初めに禪院家について触れていきたい。

 御三家の一角である禪院家は術師至上主義であり、術師としての能力が高ければ高いほど評価される。

 術式についても重要であり相伝の術式か否かで評価が大きく変わり、術式次第で禪院家での地位が大きく異なる。

 そんな中で伏黒恵の父親・禪院甚爾は呪力を完全に持たない人間として生まれた。

 そのため禪院家では相当酷い扱いを受け続けることとなる。おそらく禪院家には居場所がなかっただろう。

 そうした経緯があり、禪院家に嫌気がさした甚爾は家を飛び出して生活する。

 その後、とある女性(便宜上女性Aとする)と出会った甚爾は子供を授かることとなる。その子供が伏黒恵であった。

 しかし甚爾と付き合っていたその女性Aは早くに亡くなってしまう。

 その後、甚爾は別の女性と出会う。それが津美紀の母親である。

 恵が小学1年生、津美紀が小学2年生のころの出来事である。

 しかし、甚爾と津美紀の母親は2人してすぐに蒸発してしまう。

 その後、伏黒恵は津美紀と2人で暮らすこととなる。

 小学1年生のころには津美紀の母親のもとで暮らしているため、伏黒恵が実母Aと暮らしていたときは小学1年生に満たないころ。

 そのため、おそらく実母Aと暮らした時間というのはぼんやりとしか覚えていないだろう。

 また甚爾については面倒見がいい性格とは言えない。

「あー、恵って そうだったそうだった。俺が名付けたんだった」と発言するほどには自分の子供に興味を示していない。

 最低限の食事などを与えて外をプラプラしていたことが安易に想像できる。 

 また裏の世界での仕事を斡旋してもらっており、仕事柄・性格柄、恵を遠くに連れて行ってはないことはないだろうことが伺える。

 さらには小学1年生とようやく自我が芽生えてきたときに両親が蒸発してしまっている。

 家族と過ごした時間というのも覚えていないに等しい。

 事実として渋谷事変で魂が地上に降りた伏黒甚爾を、自分の父親と認識できていなかったことからも関係性が薄いといえるだろう。

 そうなれば、伏黒恵にとっての唯一の家族は津美紀だけといっても過言ではない

 だからこそ、言葉ではあまり示さないものの伏黒恵は津美紀を家族として愛していたし、平穏な世の中で暮らしていてほしいと願っていた。

 伏黒恵にとって津美紀は心の大きな支えであったのだ。

 だからこそ、恵を訪ねた五条悟からの条件を小学3年生ながら交渉し、飲み込んだのだと考えられる。


起首雷同編~死滅回游

 唯一の家族としてともに支えあい、育ってきたなかであるからこそ、伏黒恵は津美紀の呪いを解くことを切に願っていた。

 津美紀周辺が本格的に動き足したのは死滅回游編。

 羂索に呪われ術師として覚醒してしまった津美紀を救うため、虎杖・伏黒だけでなく高専組が必死に働きかけ、あと一歩で死滅回游からの脱出というところまで進んでいた。

 しかし離脱のためにポイントを譲り受けた時、伏黒の考えとは異なるルール追加を宣言する。

 津美紀は術式を得た覚醒タイプではなく、1000年前の術師の人格を得た受肉タイプであったのだ。 

 受肉した人物は体の持ち主の記憶を引き継ぐことができるため、今まで津美紀のふりを続けていたのだ。

 受肉してしまった場合、完全に引きはがすことは難しい。

 現在最新話で宿儺と伏黒の魂を引きはがそうとしているが成功する確証はどこにもない。

 そういったことを踏まえると、津美紀が植物状態になってしまった中学卒業直後から津美紀の人生は詰んでしまっていた。

 羂索から呪いを受けた中学3年からずっと、助かるはずのない津美紀をずっと想い続けていた。

 この無常さを考えると希望をもって接していた伏黒がなんとも不憫である。

 その絶望につけこまれ、伏黒は宿儺の器となってしまうのだから二重での災難。


 伏黒恵の災難はそれだけにとどまらない。

 津美紀に受肉した万と、恵に受肉した宿儺が戦闘を始めるのである。

 姉が攻撃される様を、自分の体で体感しなくてはいけない。

 そもそもにして姉が受肉した≒元の体に戻る可能性はあるのかと考える暇も、自分がもとに戻る可能性すらも脳内処理できていないなかでの戦闘。

 さらには狡猾な宿儺は、伏黒の魂をより沈めるため御廚子を使用せず、伏黒恵の十種影法術のみ殺そうとする。

 その結果、宿儺に体を乗っ取られているとはいえ、伏黒は自分自身の手で姉の津美紀を殺めることとなる。

 津美紀のために呪術師という道を選び、津美紀の解呪のために1年以上模索してきた。

 その解呪が一日で無意味となるという現実を伏黒は決して受け入れられはしない。

 結果、伏黒の魂は深く沈むこととなった。

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