十種影法術の評価
以上が十種影法術の全様である。
評価しやすいポイントとしてはバランス力であり、近・中・遠距離に対応できるだけではなく、シチュエーションごとへの対処もしやすいという点だ。
そして相伝の術式であるために取説場用意されているという点も大きい。
しかしながら普段の戦闘で使い勝手の良い大技という部分に欠けてしまっている点が少しマイナス評価だ。
”渋谷事変”で伏黒甚爾と接敵した際には、防御として策を張っていたものの逆転の一手を生み出せずにいた。
またレジィ・スター戦でもなんとか耐久戦に持ち込むことで玉犬による逆転を果たせたがなかなかギリギリの展開であった。
術式ごとにオールマイティな対応ができるものの、普段の戦闘では決定打にかけるといえるだろう。
先述したレジィ・スター戦では、作戦として玉犬をあえてやられたフリをしていたが、そもそもにして初めから火力があれば、マンションの段階で倒すこともできたはずだ。
体力がなき状態とはいえ奇襲という作戦に至ったのは、十種影法術が決定打にかけるというデメリットがあるからだ。
”起首雷同”編での特級呪霊との戦闘でも玉犬での奇襲で勝利を収めている。
”穿血”クラスの技や東堂や虎杖レベルの体術が必要なのである。
どちらかといえば王道的なタイプではなく術師の戦術と呪力にかなり依存した術式であるといえる。
ポテンシャルこそはあるものの、生かすも殺すも術師次第の術式であるといえるだろう。
さらには”調伏の儀”が必須ということを考えると、術師のポテンシャルがかなりの重要度をもつ。
体術面の数値が低いのであれば、そもそも調伏自体が失敗に終わる可能性のほうが高い。
特に1級推薦を受けた”死滅回游”以前に円鹿と貫牛の調伏が終わっていなく、”京都姉妹校交流会”編の直前(2級術師時点)でようやく満象の調伏をおえたことを考えると、調伏の難易度はかなり高いであろう。
その意味では術式としての可能性は当然あるが、扱う術師のレベルも相当な高さが求められる。
こうした意味では六眼がないと使いこなせない無下限呪術と近しい部分もあるといえる
以上、汎用性が高く、かなりのポテンシャルを秘めているが扱う術師次第の術式であるといえる。
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